「窒息・骨折・気絶」米モルモン教信者が明かした虐待の様子

「教会の対応は間違っている」

チャードさんはといえば、いまだにDOPLからの連絡待ちだ。ハーカー氏が自ら進んで免許を返納するのか、あるいは免許委員会の前で聴聞会が開かれ、彼女も証言することになるのか、いまだ不明だ。教会側からも、ハーカー氏やLife Changing Servicesとの関係を断つつもりかどうか、まだ直接返答を得られていない。実際ハーカー氏によれば、ユタ州の指導者からは「セラピスト個人として」照会を停止すると言われたものの、「この指示にはLife Changing Services――とくに同氏が運営する研修グループへの照会は含まれない」とも言われたそうだ。DOPLの捜査については「今のところ我々の活動に大きな支障は出ていない……今回の一件から私も多くのことを学んだ。今後は上手く対処できると確信している」と述べた(教会側には、ハーカー氏だけでなくLife Changing Servicesとも関係を断つのかどうか確認を求めたが、返答は得られなかった)。

だがチャードさんは教会の対応に満足していない。「Life Changing Servicesとの関係を終わらせないという選択にはがっかりです。創設者はモーリス・ハーカーで、彼が運営しているのですから。こうしたプログラムはどれも彼の思想から生まれたものです」 彼女は今も教会に所属しているが、これまでの経験をふまえると「次のステップを決めようとは思っています。でも手も足も出ない状態です」と語る。

「怖いんです、教会の文化を良く知っていますし、教会について悪いことは一切言ってはいけない、教会にネガティブなイメージを与えるようなことは一切口にしてはいけないと教えられていますから」と本人。「でも教会の対応は間違っていますし、精神疾患のサポート方法についても変える必要があります。何かを変えなくては」

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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