石崎ひゅーいの10周年、真夏の聖なる夜

あまりにも温かで、かけがえのない瞬間

中盤では、デビューからずっとともに制作をしてきているバンドマスター、トオミヨウのピアノで「ひまわり畑の夜」、そして「きっと今日この日にみんなの前でやるために作ったんじゃないかって思います」と「天国電話」と「花瓶の花」を続けて披露。

曲が終わり、「ちょ、ちょっと待ってね」と石崎はなぜか一旦舞台袖にはけ「最高すぎて頭おかしくなってる」と笑いながら舞台に戻ってくる。そして「ここから後半戦、次やる曲は友達の曲なんですけど……その友達と一緒にやってもいいですか」と切り出すと会場にもどよめきが起こる。そう、その友達といえば、この人しかいないだろうと誰もが合点のいったその瞬間、ふらりと「おめでとう、10周年おめでとう」と言いながら舞台上に登場したのは、菅田将暉。石崎が菅田に提供した「さよならエレジー」は、提供された菅田にとっても、それを制作した石崎にとっても大きな転機となった1曲といって間違いではないのだろう。そんな「さよならエレジー」と、こちらも大ヒットとなった「虹」を、立て続けに、ふたりでともに歌った石崎ひゅーいと菅田将暉。

この2曲はたしかに、菅田がサプライズで登場する話題性という意味でもこの日のハイライトであったはずだが、どちらかというと、最高の友達が駆けつけてくれたことに喜びが溢れる石崎を見て心から祝福する会場の心意気と、とにかく親密な雰囲気に満ち満ちた10周年のお祝い、というムード。「菅田将暉が来てくれて本当に嬉しそうな様子の石崎ひゅーいを見て、嬉しい」という会場の状態が、あまりにも温かで、かけがえのない瞬間だったように思う。



そして、「10周年で大切な人と一緒に何かを作ろうと思って、菅田くんに声をかけさせてもらいました」と切り出す石崎。僕と菅田くんの足跡みたいな曲を作りたい、知らずしらずのうちに積もってきたものを曲にしようとした、というエピソードとともに、ふたりでの新曲『あいもかわらず』の配信リリースが8月頭にあることを明かし、さっそくふたりで初披露。



「3曲くらい違う曲になっていったよね」と菅田もエピソードを話し、ふたりの間には、これ以外にも実は世に出ていない曲がたくさんある、つまり数多のアウトテイクを共有している、ということも明かされた。「紹介したら終わっちゃう」と、名残惜しそうな石崎だったが、菅田は「楽しんで!」とシンプルにひとこと残してひらりと舞台を去った。

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