岡本健一が語る、27年ぶりに始動させた伝説のロック・バンド

27年ぶりに集結、その理由とは?

ー27年経って、再びADDICT OF THE TRIP MINDSをやろうと思ったのは?

岡本健一 コロナになる前の、U2を観に行った時に言ってたよね?

Motm 昔、ロンドンのウェンブリー・スタジアムにU2を一緒に観に行ったんですよ。U2を観に行ったのはその時以来で。ライブを観たらやっぱりバンドっていいよなって話になったんだけど、その時は話だけで終わって。コロナが始まってから連絡を取り合うようになったんだよね。

岡本健一 飯でも食おうよって言って。その時にADDICTを復活しようよって話をしたんだよね。

Motm 「シゲさん、まだ生きてるよ」って言ったんだよ。

岡本健一 その前に調べてたんだよ。そしたらシゲさん、カルメン・マキ&OZをやってて、全然いけてんじゃんと思って。すぐにシゲさんに連絡を取ったら、やるよって言って。新しいギターもシゲさんが志門(田中志門)を連れてきてくれたんだよね。

ー27年振りにADDICT OF THE TRIP MINDSをやってみた時の感触はどうでしたか?

岡本健一 スタジオで音を出して歌を歌った時に、瞬時に今になった感じがしたよね。これはイケるなと思って。そこから曲数を増やして、次はアルバム全曲をやろうよってなって。シゲさんが、「もう今できるよ。ライブをやろう!」って言って。早かったよね。

Motm 去年の9月ぐらいにやろうって言って、12月の頭にはライブをやってたから。

岡本健一 10月にはライブ会場も決まってたよ。スタジオの帰り道に大造さん(村田大造)に会ってさ。VISIONで配信ライブをやらないかって誘われて。100人限定で人を入れて、配信でやって。27年振りのライブだったんだけど、なかなかいいライブになったと思うんだよね。ライブのステージ上でしか味わえない時間があったし、それを聴いたお客さん、スタッフの反応も良かったので。これは続けていきたいなと思ったんだよね。

ー二度目のライブとなる今年3月のクラブチッタでは、一日に昼公演と夜公演をやって、圧倒的な世界観を見せましたね。

岡本健一 自分でも予想がつかないんだよね(笑)。昼と夜の世界観は変えようっていうのはあったけど、どういう風に変えようかっていうのは全然なくて。昼の部の時も10分ぐらい前になって、「志門とシゲさんで二人でやってて。俺は客席から出るから」って言って。「とりあえず俺、ポエトリー・リーディングするから」って。そういうオープニングだけ最初に思いついて。それでしゃべりだしたら止まらなくなっちゃった(笑)。



ーあのライブを観た時に、懐かしさとかは全然感じなくて、今の生きている音楽だと感じたんですよね。

岡本健一 戦争のこともダイレクトにあったからね。Motmの奥さんはウクライナ人だし、彼女の友達とも会ったんだけど、この人たちの母国で戦争が起こってると思うとさ、「ライブ、イエー! 最高!」っていう風には絶対にならないよね。戦争に対する思い、感じてることを一回このライブで吐き出さないといけないと思って。それに、自分たちにとっても、ライブ会場にいる人たちにとっても、この時間は本当に奇跡的だと思ったし、元気でここにいるのがどれだけ大事かっていうこと、こうやってここで俺たちのライブにいればちょっと日常を忘れられるよということ、そういうことがやっぱり大事だと思ったんだよね。ある種、素面でトリップするわけだから、ちょっと想像がつかない感情が出てきたりもする。そこをどんどん提供していきたい感じなんだよね。

ーあのライブではすでに新曲もやりましたよね。

岡本健一 曲もいっぱい出来てる。今レコーディングもしてる。「え、次のADDICTの新曲、こんな感じになったんだ?!」って感じになると思うよ(笑)。

ー今度9月にやるライブはどのようなものになりますか?

岡本健一 今まで東京以外でやったことがないから、初めて大阪でライブをやるっていうのがポイントだよね。大阪って、お客さんの音楽に対する楽しみ方が違うと思うから。あと今回、Free REC シートっていうのを作っていて。その席に座る人たちは、カメラとかスマホとか撮影・録音機材を使って、勝手にどんどんアップしてよくて。同時中継で撮って流してもいいし、自分のものにしてコレクションにしてもいいんです。ちょっとだけ値段が高いくらいで、とにかく自由にやってもらってもらってかまわないシートなんですよ。

ー今度のクラブチッタでも、前回同様、2公演、昼と夜とで全く違う世界観でやるんですよね。

岡本健一 前回と同じと言っても、曲も変わるし、曲調も変わるんだけど。昼の部では、できればみんなで寝転がりながらライブを観てほしいんだよね。最終的には席がパイプ椅子になるかもしれないけど、ダウナーな曲をいっぱいやって、まったり、だらだらしながらどっぷり聴けるような感じにしたくて。それで夜公演は、その真逆みたいな感じにしたい。あとは曲数を減らして1曲の時間を長くしたいかな。

ー今後の活動でさらに考えていることはありますか?

岡本健一 YouTubeとか映像かな。TV ADDICTみたいな感じで、映像でいろんな人とインタビューしたり、セッションをしたり、チャンネルみたいな感じでやりたいね。アルバムの方はまだ時間がかかるかな。

ー男闘呼組の活動でも忙しくなりますよね。男闘呼組の方はいつからまたやろうと思っていました?

岡本健一 3年ぐらい前だね。男闘呼組はずっとやるつもりでいたから。男闘呼組は活動休止って言って終わったんだけど、活動休止っていうことは再開しないと嫌だなっていうのが常にあって。2019年にジャニーさん(ジャニー喜多川)のお別れ会の時に昭次と会って。そこからだよね。2023年がちょうどデビュー35周年で、活動休止してから30年に当たるんですよ。だからこれに合わせて、これを目的に活動再開しようと思ったんだよね。

ー7月16日放送のTV番組「音楽の日2022」に出演した時も、メンバー全員がカッコ良くて、演奏も完璧に仕上がっていましたね。SNSやYouTubeのコメント欄を見ても、みなさん大絶賛じゃないですか。

岡本健一 みんなこんなに求めてくれてたんだなと思って。活動休止は自分たちで決めたことなんだけど、急なことだったし、すでに決まってた全国ツアーを中止にしたから。だから来年には全国を回れればいいなっていうのは思っていて。でもその前に、10月にやるライブと「音楽の日2022」の反響が良くなかったら、来年はないんじゃないの?と思って。だから来年ちゃんとやるためにも、「音楽の日2022」はポイントだったのかな。でも、実際はそんな気負いも別になく、みんなでやってるだけで楽しかったね。

ーここに来て、ADDICT OF THE TRIP MINDSと男闘呼組をやることになって、人生の中で再び音楽の比重が増えてきましたが、どんな感覚ですか?

岡本健一 同じように舞台も一緒にやってるから。環境と人が変わるとマインドも全然変わってくるんだよね。舞台をやってるから音楽にも反映されると思うし。音楽がメインにあるから、たぶん普通の役者さんとはまた演技が違うんじゃないかなって思うよね。このシーンのこの場面は、あの曲のあの感じを出したい、とか思うわけよ。クラシック音楽でチェロだけが残って、そこからまた盛り上がってくる感じを、このシーンでやるにはどう表現したらいいんだろう?とか。芝居をする時に音楽が連動してるんだよね。

ー音楽をやっている時はリアルな自分ですか? それとも何かを演じています?

岡本健一 全部リアルな自分なんだけど、日常とは違うよね。いきなり生ドラムの音が入ってくると、みんなの気分もテンションも変わるじゃない? それと同じような感じで自分も変わってくるから。このままじゃいけないんじゃないか?とか、そんなに幸せじゃないんじゃないか?とか、もっと大変なことがいっぱいあるんじゃないの?とか、そういうのを吐き出す部分はあるよね。幸せな人間よりも幸せじゃない人間の方が絶対に多いと思ってるし。そういう部分が基盤を作ってるような感じがするんだよね。



ーでも、そういうところがロックならではの表現だと思いますね。

岡本健一 楽しさよりも悲しみの方が出てくる感じはするよね。あとは、怒り。何かに対して怒ってるわけじゃないけど(笑)。でもやっぱりギターのフレーズとか、シゲさんのベースとか、ドラムの音があると、高揚感とかアドレナリンといったものは瞬時に生まれてくるよね。どう考えても普通の状態からは生まれないような感情みたいなものが、ステージ上にはあるし、それはお客さんも同じことだと思うんだ。


岡本健一

<INFORMATION>

●ライブ情報

大阪公演
9月3日(土)umedaTRAD
OPEN 15:30 / START 16:30

川崎公演
9月16日(金)CLUB CITTAʼ(二回公演)
Afternoon Chill Out Session(昼の部)
OPEN 13:30 / START 14:00
Night of Blow(夜の部)
OPEN 18:00 / START 19:00

前売り:¥8,800当日券:¥9,900
昼・夜通し券(川崎公演のみ):¥15,500
Free RECシート:¥12,000
Free RECシート 昼・夜通し券:¥21,000
※全席指定/消費税込み/ドリンク代別途

▼Free REC シートとは
あらゆる撮影・録音機材、ビデオカメラ、スマホ等などを使用して、ステージの写真・動画を撮影可能な席を客席後方に限定数用意します。撮影した映像は自分の記録用、友達に送る、リアルタイムで配信、SNSなどに投稿して拡散しても問題ありません。
※三脚の使用も可能ですが、機材の大きさによっては、PAの妨げになるため、移動していただく場合があります。

●リリース情報

昨年12月に行った再結成後 “初” ライブのBlu-rayが予約受付開始

ADDICT OF THE TRIP MINDS
『Live at Vision Tokyo 2021.12.05』

1. 孤独に自由に
2. 今はなき世の中
3. 輝ける亡者
4. 特別な人
5. 幻影
6. 旋律
7. 心の中の銃
8. 偽り感じて
9. 推察の最中で
10. あの娘は言う(Gt:成田昭次)
11. 無題
12. 今、再び(全曲歌詞付きブックレット封入)

<特典映像>
・オープニング映像(特別編集)
・田中志門(Gt.)によるソロインスト曲
価格:¥6,800(税抜)
発送:8月上旬より順次
予約特典:ADDICT特製フォトブックレット(P24)
※先着200名限定予約受付ページ:https://fungoods.base.shop/

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