岡本健一が語る、27年ぶりに始動させた伝説のロック・バンド

ADDICT OF THE TRIP MINDS:左から、川上シゲ(Ba)、岡本健一(Vo & Gt)、Motm(Dr)、田中志門(Gt)

今年4月に演劇の世界で紫綬褒章を受章し、7月には男闘呼組を29年振りに復活させた岡本健一。その岡本健一がMotmと意気投合して1991年に結成し、川上シゲ(カルメン・マキ&OZ)の1993年の正式加入によって本格的に活動を開始させたバンドがADDICT OF THE TRIP MINDS(アディクト・オブ・ザ・トリップ・マインズ)である。

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オルタナティブでサイケデリックな轟音サウンドと、今の時代に刺さるような歌詞世界とで、ライブでは圧倒的な世界観を体感させるロック・バンドだ。1994年にメジャーから1stアルバム『ADDICT OF THE TRIP MINDS』をリリースし、翌年の1995年に解散。昨年12月5日に渋谷VISIONで行われたライブで27年振りの復活となった。今年3月10日のクラブチッタ川崎で行われた二回公演では、昼と夜、全く違うステージで観客の心を鷲掴みにしており、9月には大阪公演と川崎公演が控えている。

ー最初の音楽との出会いは?

岡本健一 うちの父の車の中ではジャズか落語がずっと流れてたんだよね。俺はそれを聴いてただけなんだけど、オスカー・ピーターソン、アート・ブレイキー、エルヴィス・プレスリーとかが常に耳に入ってくるから、自然に覚えてしまうよね。

ー自分で選んだ音楽でスゴく好きになったものはあります?

岡本健一 デュラン・デュラン、AC/DC、デフ・レパードとかかな。『ベストヒットUSA』を観てたし、貸しレコード屋さんに行ってアルバムを借りて聴く楽しさはあったよね。でもやっぱりクワイエット・ライオットとか、ハードロックにヤラレたのかな。15歳で昭次(成田昭次)に会って、昭次からギターを教えてもらって。音楽を聴いてただけだったのが、プレイするとこれだけ楽しんだってなったんだよね。

ーダンスレッスンよりもギターを弾く方が好きだったんですよね。

岡本健一 ダンスレッスンって男ばかりだから。ダンスって、女の子と踊るもんじゃないの?と思って(笑)。ディスコのチークタイムでスパンダー・バレエの曲が流れて、年上のお姉さんを誘って、抱き合うだけでドキドキする、それがダンスだと思ってたから。それに、振り付けで踊りを踊るってこと自体が初めてだったし、他のみんなが異常に踊りが上手かったわけよ。少年隊もめちゃめちゃ上手いし、ジャニーズJr.のダンスレッスンで一番前にいるのは少年隊のバックで踊れるような子たちだったから。振り付けを覚えて30分後にはみんな踊れるんだけど、俺は全然覚えられなくて。「これ、全然覚えられない。楽しくないぞ」ってなって。その時はジャニーズの合宿所に住んでたんだけど、昭次からマイケル・シェンカー・グループの「Armed & Ready」のバッキングを全部覚えろって言われて。ギターが2本あれば曲を弾けちゃうし、俺のギターに合わせて昭次がソロを弾いてくれるとめちゃめちゃ楽しいわけよ。そのままみんなでスタジオに入ろうぜってなったら、それはそれで面白くなってきて。16歳の時に、ダンスよりもこっちの方が全然楽しいじゃんってなって、ダンスレッスンをやっても他のヤツらには追いつくわけがないって思ったから。だからダンスを休む口実でスタジオに入り始めた感じだよね。

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