ロネッツ「Be My Baby」(1963年)
ドン、ドドン、クラップ! 不朽の輝きを放つオープニングのドラムビートから、オーケストラの弦楽器とカスタネットで作られたウォール・オブ・サウンドに乗せて、ロニー・スペクターがジェットコースターのように“whoa-oa-oas”と歌ったことで、「Be My Baby」はすぐさま名曲となった。ハル・ブレインによるドラムのイントロについて、ロニーは「まるで天国にたどり着いたようだった」と回想している。「何もかもがフィットしたの。すべてがパズルのようで、私の声が入ることでパズルは完成。その瞬間、このレコードはヒットすると確信した」。
最終的に、この曲はヒット曲以上のものとなり、カルチャーの試金石となった。マーティン・スコセッシはこの曲を映画『ミーン・ストリート』の舞台設定に使い、テイラー・スウィフト、ジーザス&メリーチェイン、エイミー・ワインハウンなどがドラムビートを引用している。ブライアン・ウィルソンはこの曲について、「ある意味、驚かされたというより、自分がもう一度生まれ変わったようにすら感じた」と語っている。「あの曲を一度聴いたら、永遠のファンになってしまいそうな感じ」 K.G.