ペンタトニックスが語る、Little Glee Monsterや日本との絆「世界で一番愛している国」

『The Lucky Ones』とコロナ禍での成長

ーニュー・アルバム『The Lucky Ones』は、2015年の『Pentatonix』以来、久方ぶりのオリジナル楽曲集となります。なぜこのタイミングでオリジナル曲を発表しようと考えたのですか?

スコット:2015年のアルバム『Pentatonix』以来、僕たちはツアーを中心にした活動をずっと続けていた。常にノンストップという感じで、ツアーを繰り返していたし、そのうえ、クリスマス・アルバムやカヴァー・アルバムを発表したり、それにメンバー・チェンジなんてこともあったり。いろんなことが次々と起こって、常に手いっぱいな状態だったんだ。マットがメンバーとなってからも、またツアーを再開していたからね。ある時ミーティングで、僕たちにはこんなにいろんな体験があるわけで、ストーリーがあるのだから、そろそろまたオリジナル曲によるアルバムを作るべきじゃないかって話になったんだ。まだ1枚しか作ってなかったから、2枚目を作ろうよってことで、みんなで盛り上がったんだ。で、スタジオに入って曲を作り、完成したのは、すごく正直にありのあままの自分を投影したアルバムになったよ。だからとても誇りに思っているんだ。

ーカヴァー曲と比べて、やはりオリジナル曲を作るのは時間も労力も掛かりますよね?

スコット:うん、間違いないよ。ソングライティングをするからには、大変なことも多いと思うんだ。まず曲作りをするにあたって自分自身をさらけ出さなきゃいけないし、ゼロから全てを作り上げることになる。すでにある素晴らしい曲にひねりを加えたり、新しいアレンジを施したり、声だけを使って創造することに掛けては僕たちは熟練者と言えると思うんだけど、オリジナル曲に関しては、それらをやったうえで、さらに自分たちの体験を歌に込めたり、ゼロからスタートするわけで、やはりそれだけプロセスが多いよね。



ースコットは、この9月に30歳を迎えますよね。世界中をツアーして、様々な体験を通して、アーティストとして、またひとりの人間としてどんなふうに成長したと思いますか?

スコット:うわっ、すごく深い質問だよね。うんうん、本当にあらゆる意味において成長したと思っているよ。シンガーとして成長したと思うし、自分の声に関してより理解が深まった。それにソングライターとしても成長したと思うよ。いつも曲を作っているし、この10年間にペンタトニックスを通していろんな体験をしてきたからね。数えきれないほどのステージに立って、数えきれないほどの国々を訪れて、もちろん最高のときもあれば、最悪のときもあるけれど、それらを通して感情面でも強くなったし、精神的にも強くなったよ。グループのメンバー全員に関して言えると思うんだ。より自分に自信がもてるようになり、クリエイティヴな人間になった気がする。スリリングでいろんな体験に満ち溢れていた20代には、とても感謝しているよ。もちろん30歳になるのも楽しみにしているし、心の準備も整っている。次の10年間がどうなるんだろうって興味津々だよ。

ー昨年からのコロナ禍で、すべてがストップしたおかげで、改めて自分自身を見つめ直すことも多かったと思うのですが、どんなふうに過ごしていましたか?

スコット:僕としては、最初の頃はまずはたっぷり休んだって感じかな。ずっと四六時中、移動したり、働いていたから、一箇所に留まってじっとしているのは、すごく新鮮だった。寛いで家にいるしかなかったんだけど、最初の頃は楽しかったかな。でも、常に新しいこと、刺激を求める僕としては、何かをやらなきゃって感じで、いろんなスキルを身に付けていったよ。たとえばニュー・アルバムはステイホームしながら作っていったんだけど、そのために僕はProToolsの使い方も学んだし、自分のヴォーカルのプロデュースもできるようになったよ。曲作りもいっぱい手掛けたしね。あとTikTokにもいっぱい投稿したかな(笑)。バカやりたい欲求は、そこで解消してかな。他にもずっとやりたかったけど時間がなくて出来なかったプロジェクトに取り掛かったり、友人のためのミュージカルを手掛けたりもしたよ。あとは、やたら食べまくってたかな(爆笑)。まあ、いろんな意味で自分自身を見つめ直して、クリエイティヴになって、成熟したんじゃないかなと自分では思っているよ。



ーコロナ禍にスコットをはじめ他のメンバーがハマったこと、新しい趣味などはありましたか?

スコット:そうだね、メンバー全員がそれぞれ趣味をもっている。マットとケヴィンはすごく教会活動に熱心だし、ケヴィンはソロ活動をやったり、カースティンは演じることが大好きだから、演技レッスンを受けたり、オーディションに臨んでいるよ。ブロードウェイの舞台にも立っていたしね。ミッチはメッサー(Messer)名義で『Roses』と題されたソロEPを発表していて、それが最高にアメージングだよ。あと彼は新しい猫を飼ったり。みんなそれぞれに人生を謳歌しているよ。そうそう、ケヴィンには赤ちゃんも誕生したよね。それぞれが多忙って感じかな。もちろんペンタトニックスとしての活動も、いろいろやっているしね。

ー日本のアニメやゲーム、漫画、音楽などでは、何かハマったものはありますか?

スコット:ビデオゲームやアニメに関してはあまり変わりないけど、それ以外では、「Midnight In Tokyo」で日本語の歌詞を書いたり、Little Glee Monsterとの共演やビデオ撮影をしたのが、やっぱり日本関係では一番大きい出来事かな。あと、日本にも行く計画があって、もっと早く来日する予定だったんだけど、コロナ禍で断念したんだ。もちろんこの状況が変わればすぐにでも来日するつもりだよ。みんなの前で「Midnight In Tokyo」をはじめとする新曲を早く披露したいんだ。それが僕たちの夢だよ。実現したら最高じゃないかな。

ー日本のファンも長引くコロナ禍にまだまだ悩まされている状況です。励ましのメッセージをいただけますか。

スコット:うん、もちろん! みんなに伝えたいのは、僕たち全員が日本のファンのことを、とても愛してますってこと。(日本語で)「ミンナ、ダイスキ」。ずっと長きにわたって僕たちを応援してくれて本当にありがとう。できるだけ早くまた日本に行きたいと思っています。日本のみんなが「Midnight In Tokyo」を気に入ってくれると嬉しいな。みんなのために作ったスペシャルな曲なんだ。こんな状況下ではあるけれど、みんなも安全にして、健康でいてください。また平常を取り戻したときには、みんなの前で飛び跳ねながらパフォーマンスしたいと思ってます。

ー最後に、今後の予定を教えてもらえますか。

スコット:まずはツアーを再開したいかな。クリスマスもすぐに来ちゃうから、当然ながら僕たちはクリスマスに関することも、いろいろと考えているよ。あとオリジナル曲にも、もっと挑戦したいかな。パフォーマンスに関しても、これまでより大胆で思い切った見せ方を考えているんだ。シアトリカルで型破りなショーみたいな感じをね。現時点ではあまり言えないけど、アーティストとしてかなり思い切った飛躍をしたいなって計画してるんだ。




ペンタトニックス 
『The Lucky Ones【ジャパン・デラックス・エディション】』 
発売中
購入・再生リンク:https://PTX.lnk.to/TheLuckyOnesDXJP

【初回仕様】
特典①パントビスコがペンタトニックスをイラストで描きおろした“PTXスペシャル・ステッカー”封入(2種類) 
*メンバー全員は共通封入、メンバー・ソロ5種はランダム封入。 
特典②メンバーが日本ファンのために特別収録した“PTXスペシャル・ボイス・メモ”(2種)ダウンロード券封入 
*メンバーが日本ツアーでかつて訪れた札幌、横浜、名古屋、大阪、福岡の方言でメッセージを特別収録。 
*共通でメンバー全員のボイス1種と、ランダム封入されたソロ・ステッカーと同じメンバーのソロ・ボイス1種がダウンロードできる。 

ペンタトニックス日本公式サイト:https://www.sonymusic.co.jp/artist/pentatonix/

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