エド・シーランお墨付きの新星、メイジー・ピーターズが語る「21歳のリアル」

 とにかくビッグなポップ・ソングを作りたかった

―あなたが目指していたのはどんなアルバムなんでしょう?

とにかく私は……もしかしたら私の場合は、「こういうアルバムを作りたい」と明確に分かっていたと言うより、「こういう音楽を作りたい」と分かっていたのかもしれない。具体的な曲の像が見えていたんじゃなくて、曲を作っているうちに、自分が何を言いたいのか、どんな曲がアルバムにフィットするのか、どんな曲が意味を成すのか、流れが掴めてきた。私は去年1カ月間サフォーク州に滞在して、アルバムの半数の曲を作ったんだけど、そこまで辿り着いた時点で、どういうアルバムになるのか見えてきた。そして残りの曲は次の1カ月間に完成したわ。

―アルバム・タイトルはオープニング曲に因んでいますが、どんな意味を込めたんでしょう?  

タイトルは「You Signed Up For This」という曲に因んでいて、この曲を書き上げた時に「これをタイトルにするべきだ」と感じて。それからずっとその気持ちは変わらなかったし、ほかの候補もなかったわ。それってクールなことだと思う。曲の中に“I’m sorry to make it about myself again/ But you signed up for this(またもや自分本位でごめんなさい/でも私自身が望んだことだから)”というフレーズがあって、ここが、アルバム全体と共振している気がしたのよね。ひとつの意思表示であるように感じたの。良し悪しは別にして、好き嫌いは別にして、自分が望んだ結果をもたらすか否か分からないし、私の人生において決定的瞬間になるか否かも分からないんだけど、これは間違いなく自分が望んだことだから、何が起ころうと最後の最後まで見届けるんだ――という。なぜって私は音楽を愛していて、このアルバムを愛していて、それは今後も変わらないだろうし、音楽をずっと作り続けると思うから。私が思うに、「You Signed Up For This」というフレーズは頑固で挑戦的な態度を含んでいて、そこがすごく気に入っているの。



―歌詞のインスピレーションはみんな実体験ですか?

私が思うに、曲のフィーリングは、私が実体験として抱いたもので、多くの曲が間違いなく私自身の欠片を含んでいる。私の人生が大いに反映されていて、ちょっとしたディテールに、実体験が正確に引用されていたりもするわ。でも同時に、どこかでミステリーを維持しようとしていて、自分をあけっぴろげにし過ぎないように、いつも気を付けているの。

―「Psycho」はエドとスティーヴ・マックと共作したそうですね。どんな経緯で生まれた曲なんですか?  

そうなの、これはエドたちと一緒に書いた曲で、アルバムの収録曲の中では、一番最後に生まれた。私はとにかくビッグなポップ・ソングを作りたかったの。それで、カーリー・レイ・ジェプセンの「コール・ミー・メイビー」やシンディ・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」を意識して、「とりあえず何でも試してみて結果を見てみよう」という姿勢で取り組んだの。それに、実際に私が体験したことも反映されているわ。私とエドとスティーヴは仲がいいから、あれこれお喋りをして、最近自分たちの身に起きたことを報告し合っていたのよ。それ以前からエドとはメールをやりとりしていて、こういうことを曲にしたらいいんじゃないかというアイデアを送っていたんだけど、そのひとつが、誰かに「お前はクレイジーだ」と言われて、それはフェアじゃない――という内容だった。そうしたらエドが「“psycho”っていう言葉で遊んでみたら面白いんじゃない?」と提案して、私も「それって面白そう!」と乗り気になって、スタジオに入ったら一瞬のうちに曲が完成したの。ものの30分くらいで出来上がって、本当にクレイジーだったわ。



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