ドリル・ミュージックの牽引役が語る、18歳から25歳になって感じた「変化」とは?

アルバムで伝えたいストーリーのために

ー修正する場合は該当箇所だけ差し替えますか? もしくヴァースを丸ごと録り直すんですか?

俺はテイクを丸ごと録り直す。そうすると流れが完璧になるだろ。たった1つの単語だけだとしても、テイクを丸ごと録り直す。センテンスごとやり直すほうが好きだ。

ーたくさんの作品をリリースしていますが、どれも非常に私小説的で、たくさんのトラウマ的な経験を扱っています。この2つが結合すると疲弊しませんか? それともスタジオに入ろうという気になるんですか?

俺には音楽のアイデアがたくさんある。自分が手掛けた音楽はどれも気に入っているよ。飽和状態にはなりたくないが、そうなったら自分の好きな音楽だけ作るだろうな。リリースはできないだろうが。それだけは絶対に避けたい。手持ちに数百曲があっても、1枚のアルバムには15曲しか収録できない。間隔をあけようとは努力してるよ――いっぺんにあまりにも多くの音楽をリリースしたくはないからね。それが俺の一番大きな問題だ。俺はいつもアルバムで決まったストーリーを語ろうとしている。だから伝えようとしているメッセージに合わない曲は、アルバムには入らない。でもいつか、そういう作品も特定の人々に届けたり、できる範囲で活用しようと思っている。



ーアルバムごとに決まったストーリーがある、という話ですが、新作はある意味、青春時代からの旅立ちというか、人生の節目にさしかかることがテーマです。10代のころ――つまり注目を集め始めたころ――こんな25歳になると想像していましたか?

面白い質問だね。25歳の自分がどんな人間になっているかなんて想像もできなかったよ。25歳の風貌すら見当もつかなかった。若いころは、25になったらいい暮らしをして、いい仕事をしている姿を想像していたが、正直具体的にどんな風かとか、どんな仕事かまでは考えていなかった。18の頃は25なんてずっと先の話に思えるが、実際はそうじゃない。実際こうして25になってみると、自分が18の時に何をしていたかもほとんど思い出せないね。



from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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