銃殺刑を認める法案が可決 米サウスカロライナ州

サウスカロライナ矯正局、AP通信より(Photo by AP Images)

米サウスカロライナ州議会は、死刑執行で銃殺刑を選択肢のひとつとして認める法案を可決。共和党のヘンリー・マクマスター州知事は、法案に署名して承認する意向を発表した。

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同州の下院州議会は現地時間5日、死刑囚に銃殺刑または電気椅子による処刑の選択を義務付ける法案を可決した。賛成66票、反対43票で、賛成票に投じた民主党議員はたった1人。法案に反対した共和党議員は7人だけだった。

薬殺刑で使用される致死薬物が全米各地で不足しているため、現在サウスカロライナ州では死刑囚の刑執行を行えずにいる。死刑囚には電気椅子または薬物注射のいずれかの選択が認められていることから、当然彼らは薬物注射を選ぶ。薬物注射による死刑は今後も選択肢として残るものの、銃殺刑が追加されたことで、職員は刑執行に必要な手段を与えられた。

致死薬物が不足している原因は、ここ数年で薬物注射による死刑執行の「失敗」が相次ぎ、製薬会社が特定の薬物の出荷を控えているため。結果として致死薬物不足を招き、全米で死刑執行が滞っている。

民主党のジャスティン・バンベルグ州下院議員は法案可決に反対し、賛成票に投じた議員は死刑執行人と同じだ、と発言した。

「結果的に緑の賛成票のボタンを押し、本議会で法案を可決させれば、自ら死刑執行のスイッチを押したも同然です」とバンベルグ議員。

州下院議会の民主党総務、トッド・ルーサーフォード議員も法案可決を非難し、「面目ない」と述べた。

「時代は2021年です。このような近代的とは言えない、時代遅れで残忍な刑罰から進化するべきです。今日、我が州は一歩後退しました。なんとも面目ありません」とルーサーフォード議員は書面を発表した。

同州は2011年以来、死刑を執行していない。マクマスター州知事が法案に署名すれば、サウスカロライナ州は銃殺刑を認める4番目の州となる。

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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