小泉今日子、筒美京平からの宝物を披露したアコースティックライブ

メドレーの最後はアカペラからはじまる「夜明けのMEW」。息もつかせぬ構成だったけど、誰かに急かされるのではなく自分のペースで生きている実感がこもった十数分だった。ひと息ついて、次は「ガラスの瓶」(95年11月)。筒美さんと作った最後のシングル『BEAUTIFUL GIRLS』のカップリング曲で、両面とも作詞は小泉今日子。筒美さんに音楽人生が大きく変わるきっかけをもらった女の子が、作詞パートナーに成長して再会した曲でもある。この曲をライブで唄うのは初めてじゃないかなと彼女は言っていた。そこから「夏のタイムマシーン」への流れにもグッとくるものがある。


Photo by Takao Iwasawa

「16歳のときにデビューして一歩前に出てがんばったから今の私がある気がするし、今の私ががんばったら過去の私も前に進むんだろうな」、『昔はよかった』的なノスタルジーじゃない。さりげなく、だけどきちんと、自分がもらった名曲という宝物に今の自分が息を吹き込む。〈唄うコイズミさん〉でやりたいことって、まさにそれなんだろうな」、この夜を締めくくる最後の曲を彼女は、こう紹介して唄いはじめた。「意外かなあ? 好きな人も多いかなあ? どうだろう?」 その曲は、アルバム『Betty』のラストナンバー「バナナムーンで会いましょう」。次はみんなと実際に会えたら、もっと楽しい。今夜のドラマはこれでハッピーエンド。だけど、きっとこのエピソードには続きがある気がする。

text by 松永良平



<イベント情報>



小泉今日子
「唄うコイズミさん 筒美京平リスペクト編」

配信日:2021年3月21日(日)
見逃し配信:2021年3月22日(月)10:00〜3月28日(日)23:59
=セットリスト=
1. 今をいじめて泣かないで [1984年] AL『Betty』収録
2. Kiss [1987年] Sg「⽔のルージュ」カップリング曲 
3. 魔⼥ [1985年]
メドレー
4. ⽔のルージュ [1987年]
5. まっ⾚な⼥の⼦ [1983年]
6. 半分少⼥ [1983年]
7. 迷宮のアンドローラ [1984年]
8. ヤマトナデシコ七変化 [1984年]
9. なんてったってアイドル [1985年]
10. 夜明けのMEW [1986年]
11. ガラスの瓶 [1995年] Sg「BEAUTIFUL GIRLS」カップリング曲
12. 夏のタイムマシーン [1988年]
13. バナナムーンで会いましょう [1984年] AL『Betty』収録

・視聴チケット販売
イープラス:https://eplus.jp/utaukoizumisan/st/
ぴあ:https://w.pia.jp/t/utau-koizumi/

チケット代:3000円(税込)約60分のアコースティックライブ

Rolling Stone Japan 編集部

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