映画を見ているかのような演出
―自粛期間の間、いろいろなことを考えたと思うんですよ。
ヤジマ 本当に考えたなあ……。でも、自分と向き合う時間が増えたし、そのなかで曲作りもけっこうやってたので、音楽との向き合い方もいい意味で変わったと思います。今までは「自分が自分が」ってなってたところがあったんですけど、今はもっと楽曲に意識がいくようになりました。例えば、これまでは1曲を通してずっとギターが鳴っててほしいって思ってたけど、今は1曲のなかでひとつキーになるポイントがギターで作れたらそれでいいと思うし、なんならギターが鳴ってなくても楽曲がよくなるならそれもいいなって思うようになりました。エゴがなくなったというか。
―今回のライブ「Pre-independence Diary」はどんなところから始まったんですか。
レイ まず、「Pre-independence Diary」というストーリーがあって、それに沿った演出を考えて。
荒井 物語になったらいいんじゃないかって。
レイ そう。配信ライブってお客さんとのコミュニケーションも大事ですけど、今回に関しては「Pre-independence Diary」の世界観を見せたかったので、MCも最低限にして、映画を見ているかのような演出をしようという話になって。あと、「Pre-independence Diary」は3部作なので、「Headphones」のセクション、「Irony」のセクションって分けていって、各セクションに合うテーマの曲をピックアップしていきました。
―その原案はAkariさんによるものなんですよね。
Akari そうです。ライブにストーリー性を持たせたいっていうのはずっと考えていたことなので、今回やっとそれを実現できました。
―配信ライブというよりもひとつの作品でしたよね。
Akari 生配信って思わせたくないぐらいの気持ちはありつつ、生っていうワクワク感も出せたらいいのかなと思って。
荒井 レイがめちゃめちゃ活躍したよね。セクションごとのSEをつくったり。
レイ 頑張りました!
―それって、Akariさんの頭の中にあるものをしっかり共有できてないと表現できないものですよね。
レイ そうですね。一番最初にストーリーをAkariが書いてくれて、そのイメージを共有してからセットリストについて考えたり、SEを入れるタイミングを考えていきました。
―個人的には「DON’T FALL」以降がよかったです。
荒井 セッション、大丈夫でした!?
―よかったですよ。
荒井 あれも私的には初の試みで。FAITHでスタジオにいると、誰かがチャラーンって鳴らしたら、それに合わせてドラムを叩き出したりしてセッションが始まることがよくあるんですけど、私は自信がなくてそこに参加できなかったんですよ。正解がないと弾けないタイプで。だけどレイに「お前ならできる!」ってめちゃめちゃ励まされて、ルカに「じゃあ、やろっか」って言って、今回やってみました。
ルカ ちゃんとできた!
レイ 今日のライブを経たことで、今後の配信ライブ、配信じゃない普通のライブ、曲づくりにも影響していきそうな気がします。