トム・モレロ、エディ・ヴァン・ヘイレンを追悼「俺たちの世代におけるモーツァルト」


トム・モレロとエディ・ヴァン・ヘイレン(Photo by Amy Harris/Invision/AP; Marc S Canter/Michael Ochs Archives/Getty Images)

ギターに対する献身的な姿勢

俺が最初に聴いたのはデビューアルバム(『炎の導火線』)だった。シカゴのラジオでは「悪魔のハイウェイ(Runnin’ with the Devil)」「暗闇の爆撃(Eruption)」「ユー・リアリー・ガット・ミー」が流れていた。当時はYouTubeのリファレンスもなかったから、何が起こっているのかもわかりやしない。

エディ・ヴァン・ヘイレンはとてつもない即興演奏家で、ギターの新しい奏法をいくつも生み出してきたが、エレキギターで可能なことのリアリティが本当に引き裂かれた瞬間は「暗闇の爆撃」だった。ジミ・ヘンドリックスは言わずもがな、彼以前(60年代)のスキッフル・バンドやホワイト・ブルース・ギタリストたちも素晴らしかった。その後、サイケデリックな美しさとパワーがすべてを開放した。その間にも偉大で革新的なギタリストたちはいたけど、エディ・ヴァン・ヘイレンによって全く新しい時代に突入したんだ。なぜなら、彼に影響を受けた人たちのほとんどが……エディ・ヴァン・ヘイレンは、こんな有名な発言を残していたと思う。「俺は革新的な楽器奏法によってストーリーを語っている。俺の真似をしている連中がコピーしているとき、あいつらはジョークを口にしているんだ」というね(笑)。確かにそう感じたよ。誰かがライトハンド奏法をやってると「先人がいるんだから、君は下がったほうがいいんじゃないか」と思ってしまう。



1978年、ブラック・サバスは前座のヴァン・ヘイレンを連れてツアーを回った。エディ・ヴァン・ヘイレンがやりたい放題に暴れたあと、ステージから降りてきたデイヴィッド・リー・ロスはこう言った。「次はあなたたちの出番です」。どんなバンドもこれより酷い言葉を聞いたことはないだろう(笑)。そこで何もかも決まったんだ。

俺が(ギターの)演奏を始めたのはちょっと遅かったんだ。エディ・ヴァン・ヘイレンは、ローリング・ストーンズのカタログをかき回すだけでは到達できない、新しいレベルの志を与えてくれた。近づくためには努力が必要だった! たくさん練習したよ。 ギターのために時間を費やすのは、俺にとって非常に刺激的だった。

俺はエディ・ヴァン・ヘイレンのソロやそれ以外を習得しようと励んだ。彼のギターに対する献身的な姿勢は、クラシックの音楽家に通じるものを感じさせた。「ギターを低めに構えて、ドラッグをやって、髪を切って……」という類のものではない。エディ・ヴァン・ヘイレンが最高レベルのミュージシャンズ・ミュージシャンであることが、俺にとって本当に魅力的だった。ロックのいちファンとして、それを心から誇りに思っていた。

彼はジャズだろうとクラシックだろうと、地球上のどんなミュージシャンでもつなぎ合わせることができる。即興演奏のスキルとロックンロールのソングライティングの両方で、地球上のどんなミュージシャンとも肩を並べることができた。それに彼は何年間か、あらゆるギター雑誌の表紙を飾っていた。12カ月間に7、8回も表紙を飾っていたこともあった。王位への挑戦者がいなかったからだ。

Translated by Rolling Stone Japan

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