10代の少女たちを刺激、TikTokで拡散される「プチ断食」の危険な実態

Photos in illustration by Olha Romanenko/EyeEm, Manjunath Kiran/AFP/Getty Images



プチ断食アプリ創設者のコメント「断食とはライフスタイル」

プチ断食アプリFasticの共同創設者フィル・ウェイマン氏はローリングストーン誌の取材に対し、TikTokに掲載されたFasticの広告は25~55歳の女性ユーザーをターゲットにしている、と語った。Fasticの広告がプチ断食の二次効果として減量を謳っていることはウェイマン氏も認めたが、「我々はダイエットを推しているわけではありません。むしろダイエットには反対です。我々にとって断食とは、ライフスタイルに近いものなんです」と付け加えた。若くてスリムなモデルを広告に起用した理由を尋ねると、彼はこう答えた。「つまり、太った女性のモデルを使えというのですか? 賛同しかねますね……うちのモデルはみな痩せているんじゃありません。健康的なんです」

全米摂食障害協会(NEDA)のCEOを務めるクレア・ミスコ氏によると、アメリカ人の約3000万人が一生に一度は摂食障害を経験しているという。摂食障害と診断された患者の大多数が若い女性だ(男性の患者が25%を占めるという推計もあるが、摂食障害にまつわる社会偏見が原因で、男性が摂食障害と診断されるケースはめったにない)。精神疾患の中でも摂食障害はもっとも死亡率が高い。回復プロセスのつらさも間違いなくトップクラスだ。推定によれば、拒食症患者の5~10%は症状が現れてから10年以内に死亡すると言われている。全快する人の割合はわずか30~40%だ。

【画像】17歳の美少女、ビアンカ・デヴィンズの短い生涯と拡散された死(写真8点)

ミスコ氏本人も、TikTokがダイエット広告をプッシュしているという批判が摂食障害の患者のコミュニティ内でよく耳にするようになったそうだ。「こうした広告が、不特定多数の人の目にしょっちゅう触れるのが問題です」と彼女は言う。「ですがそれより気になるのは、こうした広告のターゲットは、危機感を覚えて制約ダイエットを推奨するコンテンツを探している人々だと言うことです」。彼女によると、NEDAはTikTokに連絡してこうした懸念を表明したが、返答はないそうだ。

不健全な身体イメージや不規則な食習慣を推奨している、と非難されているプラットフォームはTikTokだけではない。色鮮やかなキヌア・ボウルの画像や、#fitspoというハッシュタグ付きのビキニ姿のセルフィーをプッシュしているInstagramも、「デトックス効果」のあるお茶や、ウエスト矯正グッズ、食欲減退キャンディの広告を打つなど、摂食障害に悩む若者に有害な環境を作り出しているとして、集中砲火を受けている。

だがTikTokが爆発的人気を誇り、オーディエンスが若い女性に偏っていることから、最近は同プラットフォームに批判が集中している。若くてスリムな白人女性クリエイターのコンテンツを優先し、非現実的な身体イメージを定着させている、というのが批判の内容だ。そのうえ同社のアルゴリズムは一度チェックしたコンテンツをお勧めするようにできており、フィットネスやダイエットに関連するコンテンツをチェックすると、名目上は自動的に永続的なフィードバックループが形成される仕組みになっている(#whatIeatinadayといったハッシュタグの閲覧回数は28億回)。こうしたコンテンツの大半は、非常に若い少女が減量のコツを伝授する、という内容だ。

Translated by Akiko Kato

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