10代の少女たちを刺激、TikTokで拡散される「プチ断食」の危険な実態

Photos in illustration by Olha Romanenko/EyeEm, Manjunath Kiran/AFP/Getty Images



「ただいま24時間断食中! 気分最高!」

情報サイトVoxでTikTokカルチャーを特集したレベッカ・ジェニングス記者はこう語る。「私自身、この手のものを意識的に好んだ覚えはありませんが、それでも自分のフィードに必ず上がってくるんです。なぜなら、私が20代女性だということをTikTokが知っているから。Instagramのブラの広告と同じです――わざわざ登録したわけじゃなくても、いやでも目に飛び込んでくるんです」

TikTokは自社のコミュニティガイドラインで、「pro-ana(拒食症をライフスタイルとして容認する)コンテンツや危険な減量行為を支持するコンテンツ」を厳しく制限している。だが、そうした枠にはまらないコンテンツ――摂食障害をあからさまに勧めているわけではないにしても、不健康なダイエットや食事制限を支持する、グレーゾーンに属するコンテンツ――は見逃されているようだ。例えば#intermittentfastingというハッシュタグの閲覧回数は9780万回。そのなかでも人気の「プチ断食で20ポンド落としました」というユーザーの動画は110万回も閲覧されている。別の動画では、ものすごく痩せたポニーテールのおしゃれな女性が「ただいま24時間断食中! 気分最高!」というテキストつきで、KingMostWantedに合わせて踊っている。

こうしたコンテンツが原因で、過激な食事制限がダイエットに有効なだけでなく、健康的で、社会的にも認められた方法だと思い込むユーザーも出てくる可能性がある。「入手した情報を選別しようとしない、非常に影響を受けやすいオーディエンスもいるんです」と、ナガー氏は説明する。「そういう人たちが飛びつけば、そこから食事や健康に関する不摂生な習慣が始まってしまうかもしれません」

TikTokはこうしたコンテンツへの対策として、昨年NEDAの勧告をうけてInstagramやFacebookがしたように、プラットフォーム上で断食アプリやウエスト矯正具などの商品の宣伝を禁止する広告主向けのガイドラインを策定してもよかろう。18歳未満のユーザーにこうした広告を提供するべきではない、とミスコ氏。「あらゆるプラットフォームで、あらゆるダイエットコンテンツを禁止するのは難しいでしょう」と彼女は言う。「ですが、ユーザーが危険にさらされていることを考慮しなくてはなりません」

あるいはジェニングス氏が言うように、TikTokが先陣を切って展開した誤情報対策キャンペーンのように、教育ツールを活用して警告活動やメディアリテラシーキャンペーンを展開し、危険になるようなコンテンツを若者ユーザーが識別できるよう手を貸す、という手もあるだろう。だがイメージ先行のプラットフォームである以上、有害な身体イメージのコンテンツを完全に排除するためにできることはこれが精一杯だ。「身体イメージを刺激するコンテンツが完全になくなる日は決してこないでしょうね」とジェニングスも言う。

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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