キース・リチャーズが語るアメリカと人種差別、ツェッペリン、ロックンロールの未来

キース・リチャーズ(Photo by Theo Wenner)


レッド・ツェッペリンやザ・フーへの本音

―あなたのビートルズにまつわるコメントは、ネットで一気に広まりました。ストーンズの後に出てきたバンドについてどう思っているのか伺いたいです。あなたとミック・ジャガーは、後のエアロスミスなどに見られるような、ギタリストとリードシンガーの関係の雛形みたいなものを創りましたよね。

キース:常にたった一人のキース・リチャーズだったし、常にたった一人の……(声がちいさくなる)。そうだな、そう言ってもらえるのはいつも褒め言葉だと思っているよ。好意的に受け止めるのが自然だろうね。まあ、「髪型や服を気に入ってもらえてうれしいよ!」というのと一緒だ。実際の音楽とはほとんど関係がない。単なるイメージの話であって、(音楽とは)まったく別の話なんだと思う。お世辞を言われたと思えばいいのか? どの程度が音楽のことで、どこまでが見た目の話かは気になるが、はっきりした線引きはできないだろう。ギタリストは世の中に無数にいる。いつも思うことだが、結局大事なのは自分と合う演奏仲間を見つけられるかどうかだ。平凡なギタープレイヤーも、組む相手が良ければ突然化けるかもしれない。バンドにとって大事なのは一緒に演奏することで、だからこそ多くのバンドが意図的に濫造されてきた。ツェッペリンだってピーター・グラントが製造したようなものだ。

―ツェッペリンには大して魅了されませんでした。

キース:俺もだよ。ジミー・ペイジは大好きだが、バンドとしては良くない。ジョン・ボーナムは、コントロールが効かなくなった18輪トレーラーでハイウェイを暴走しているようだった。ボーナムがあのバンドを独占していた。ジミーは素晴らしいギタリストだ。でも、彼らの音楽はちょっと空っぽだっていつも感じていた。

―ロバート・プラントの声に魅力を感じたことがありません。

キース:(ソロでの)ロバ―トの曲はだいぶ良くなっていると思う。誰かと一緒にアルバムを出したよな。あの女性の名前は……。

―アリソン・クラウスですね。

キース:あれを聴いたときは「ついにロバートがやった!」って思った。同様に、おかしな受け取られ方をされたくないが……(リチャーズはここで止まり、笑顔を作り、話を続けた)(ロジャー・)ダルトリーは見た目が派手なだけだといつも思っていた。ピート・タウンゼントは大好きだが、ザ・フーはクレイジーなバンドだと常々思っていた。一緒にセッションをしたとき、(キース・)ムーンに「何か叩いてくれ」と言ったが、彼は(できなかった)……。すごくいいドラマーだったが、ピート・タウンゼントとしか合わせられなかった。

ムーンがピートに合わせて叩くドラムは、世界中で誰も真似できない。でも、ムーンを他の人とのセッションに放り込んだら大惨事が起きる。別に悪いことじゃない。特別な絵筆を一本だけ持ち、最高のプレイをする奴もいる。俺はイギリスのロックンロールバンドにはあまり興味がなかった。ジョニー・キッド&ザ・パイレーツとかは好きで聴いていたが、自分でレコーディングするようになる前の話だ。イエスとかジャーニーみたいな奴らの音楽は、面白いと思ったことがない。


ストーンズが企画・製作した『ロックンロール・サーカス』でのザ・フー

―ポール・マッカートニーは、あなたがアメリカに来た頃から今でもライブを続けている数少ないミュージシャンの一人です。彼のライブを見る時は、どんなコンサート内容かも気にしていますか? 特に注意して見ることはありますか?

キース:ポールは好きだ。彼がやっていることを、自分でも全部できるかはわからない。ポールが自分のやることを楽しんでいるかどうかが肝心だ。大勢の観客が、実際に彼の音楽を楽しんでいる。でも、突き抜けたものは感じない。俺たちの年齢の奴にそこまで期待すべきではないかもしれないがね(笑)。

Translated by Rolling Stone Japan

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