キース・リチャーズが語るアメリカと人種差別、ツェッペリン、ロックンロールの未来

キース・リチャーズ(Photo by Theo Wenner)


ロックンロールの未来はどうなる?

―最近の音楽業界をどう思いますか?

キース:昔はシンプルだった。レコード会社と契約すると、その会社が唯一の販路になった。現在は、それ以外にも無数のやり方がある。今は実験段階、過渡期にあるのだと思う。それが悪いとは思わないが、複雑だし混乱するよ。でも、音楽自体は常に存在し続けると思う。それは音楽業界という巨大なマシーンとは全く別次元の話だ。

―お孫さんたちは新しい音楽を教えてくれますか?

キース:娘たちから教わることの方が多いよ。最近聴いたのは、エド・シーランだ。彼はすごく面白いと思った。それからセント・ポール&ザ・ブロークン・ボーンズ。あのヴォーカルならオーティス・レディングも歌えそうだ。チラッと見たが、ステージ上の彼はすごく面白い。興味深い連中だ。楽屋でちょっと話をしたよ。

―ストーンズのInstagramで、あなたの楽屋で撮影したエド・シーランとの写真を見ました。

キース:エドの面白さは、ワンマンバンドみたいなところだ。エドは最初からそうだったし、その点がすごく興味深い。あとはわからないけど、エドは音楽や行動からも本物だと感じている。誰かと会ったとき、その人が名声ばかり考えているような人間じゃないってわかるとうれしくなる。悲しい話だが、エイミー・ワインハウスもこんなふうになれたと思う。彼女は本物だった。もういないなんて寂しいよ。エイミ―には何ができただろう、彼女なら何をするだろうって考える。

●早すぎる死を遂げた、音楽史に残る偉人名鑑

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―ロックンロールは今後ジャズのような道をたどり、ニッチなジャンルになると思いますか? ロックンロールの未来はどうなると思いますか?

キース:呼び方はどうなるんだろうな。“ヒップ”は“ホップ”より長続きするか?(笑) “ロック”は“ロール”より長く続くだろうか? こういった呼び方のことは本当にいろいろ考える。便利だからそういう呼称が身近にあるわけだが、俺にとってはどれも同じ音楽だ。ロックンロールという言葉はもうあまり聞かない。今はロックの方がよく使われている。何でも型にはめたがる人のためにこういう言葉はあるのだろう。つまり、モーツァルトをロックンロールとは呼ばないだろ? クラシックって呼ぶことにすれば、彼の音楽をどの箱に収めればいいかがわかる。ラッパーはラップの箱に収められる。だが、こういった境界線は、アーティストではなく聴き手のために作られたものだと思う。レイ・チャールズはカントリー、ジャズ、R&Bにもなり得るわけだしさ。

―ストーンズもそうですね、ロックンロール、ブルース、カントリー、ディスコ等々。

キース:一つのジャンルに縛られているわけじゃないからね。俺はずっと、ビルボードがこういう言葉を作ったと思っていた。もちろん彼らには必要だったんだ! 業界とはそういうものだし、呼び名が必要だ。だからR&Bがあり、ジャンプ・ブルースってものが存在する。二つの境界線はかなり曖昧だろうけどね。カントリー、カントリー・ロック、“この”ロック、“あの”ロック、フォーク・ロック(笑)。 誰かがそうやって勝手に仕分けをするから、ミュージシャンは少し縛られているような気持ちになる。「あの(ジャンルの)袋の中に入れられた、あの袋しかもらえなかった」といった具合にね。だが、そうは言っても音楽は音楽だ。いい音楽は勝手に頭角を現す。苦戦するものもあるけどね。それにしてもトワーキング(お尻を激しく動かすヒップホップダンス)はいいとは思えない。「よくやった、お姉さん!」としか言いようがない。ジャンルの名前が多過ぎて、俺はもうこれ以上覚えられないよ。

Translated by Rolling Stone Japan

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