キース・リチャーズが語るアメリカと人種差別、ツェッペリン、ロックンロールの未来

キース・リチャーズ(Photo by Theo Wenner)


チャーリーやミックとの深い絆

―あなたのギターテック、Pierre de Beauportと話をした時、あなたがステージで立っている位置は、一般的にはベーシストの立ち位置だと説明してくれました。それからピエールは、ストーンズのライブで好きなのは、あなたとチャーリーの掛け合いだと言っていました。

キース:そうだな。チャーリーは年老いたラスタだ。純粋なラスタ。彼に言われたよ、「考えると腐る」って(笑)。ドラムやリズムの話をしていた時に出た言葉だ。「考えると腐る」つまり、すべてはただ、純粋な感覚に尽きるってことだ。俺たちはみんな、いろんなことをするなかで考え過ぎているのだろうと思う。

―あなたは過去に、ミックが本当に得意なのは何か知っているし、みんなが聴きたいストーンズの音楽をやるには、ミックとあなたは一緒にいる必要があると言っています。

キース:そうだ。ミックは素晴らしいパフォーマーだ。ミックには燃え上がらせてくれるものが必要だ。彼は時々、ストーンズと一緒じゃなくてもできると思うかもしれないが、それは違う。結局は「ケミストリー」の一言に尽きる。そのからくりは神のみぞ知る、だ。でも、チャーリーと俺はそれをごく自然に感じることができる。経験上言えることかもしれないが、ミックがどこに向かい、何をしようとしているか、俺たちにはなんとなくわかる。本人は気づいていないかもしれないけどね。俺たちはミックを誘導したり、動かすことができる。「こういう手順で」と、はっきり示すことはできないが、イギリス流に言うと「臨機応変」にやってきたってことだ。


Photo by Chris McKay/Getty Images

―数年前にドキュメンタリー映画『クロスファイアー・ハリケーン』が公開されたとき、あなたはこう言いました。「昨年1年間でミックと俺は、相当長い間してこなかった類いの話をしたのだが、俺にとってはすごく貴重な時間だった」このことついて、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?

キース:ミックと俺はいろんな話をしたが、俺のなかで際立っているのは……ミック・ジャガーは恐らく、俺が聴いてきたなかで一番のブルースハーププレイヤーだと思う。ジュニア・ウェルズ以上だ。ウェルズは今頃天国で、リトル・ウォルターに合流しているだろうね。ウェルズのハープも大好きだ。それで、俺とミックは話をした。「(ブルースハープで)そんな表現ができるんだから、歌ももっとそういう風にやってみたら?」と言うと、「二つは全く別物だ」って返された。だから言ってやったんだ。「二つとも口から息を吐いているんだろ? 俺には違いがわからない」ミックは歌う時、レコードとほとんど同じように歌う。でも、ハープを吹く時は自由になる。ミックの歌声を、ハープを吹く時のように解き放たせる小さな鍵がどこにあるのか、俺はこれからも探し続けると思う。基本的にはそんな話をしたが、それが争いの元かもしれない(笑)。

●キース・リチャーズが語る、ソロ活動を通して実感したミック・ジャガーのありがたみ

Translated by Rolling Stone Japan

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