目には見えない辛さを考える 理解が必要なうつ病の人への接し方

まず、うつ状態のときには体を動かすことも非常につらく、それは「そのくらい誰にでもあることだ」というレベルではないのです。ですので「怠け者」「甘えるな」と非難してはいけません。また、やたらと「頑張れ」「元気を出せ」と励ますこともよくありません。そして、これは落ち込んでいる友人等に対してはよくやることかもしれませんが、うつの人を「気晴らしに誘う」ことも避けた方が良いでしょう。家族や友人から気晴らしに誘われると、断っては悪いと考えたり、「せっかく誘ってくれているのだから楽しまなければ」と義務的に考えたりして、結果的に疲れ切ってしまい、状態が悪化してしまうことがあります。また、安易に「薬に頼るな」と言うことも良くありません。こうしたことをふまえて、できるだけゆっくりと休めるような環境を整えてあげて下さい。

2017年にデビューし、2019年には全米ロック・チャートで4曲がトップ10入りし、「BBCサウンド・オブ2020」の3位にランクされるなど、期待を集めているアーティスト、ヤングブラッド(YUNGBLUD)。その音楽性は非常に個性的かつ多様で、ジェンダー・フリュイド(流動的なジェンダー)なそのルックスや発言も注目されています。



そんな彼は政治的な問題に対しても積極的に発信していて、若者の貧困、銃規制、女性への暴力などがテーマの曲もあります。そして、メンタルヘルスに関することも、その活動の中で重要なテーマになっています。「Kill Somebody」では、うつについて歌い、「original me」では自分が抱く劣等感と向き合い、弱い自分も自分との一部として受け入れる、自己肯定について歌っています。

そんな彼の、昨今の社会状況について歌った新曲「Weird!」の歌詞には次のような一節があります。「頭が変にならないようにしよう きっと大丈夫だから 今がおかしな時代ってだけ」。これまでにもこの連載で書いてきましたが、徒らに自分のせいだと自虐的に受けとめてしまったり、環境や社会に過剰に適応しようとしてしまったりするのではなく、社会や時代の方がおかしいのではないか、と疑ってみることはとても大事なことです。そして日本でも、政治やメンタルに関することがよりオープンに語られるようになっていくことを期待します。

【参照】
最上もが、うつ病を告白 でんぱ組脱退理由語り涙
日刊スポーツ新聞社 2020/05/15 09:13
http://a.msn.com/07/ja-jp/BB146mPz?ocid=se

ヤングブラッド、ルックスも音楽性もジェンダーも全ての壁を破壊し続ける異色アーティストの魅力
udiscovermusic.jp 2020。01.10
https://www.udiscovermusic.jp/columns/who-is-yungblud

「Weird!」の歌詞・対訳を公開!
UNIVERSAL MUSIC JAPAN 2020.04.29
https://www.universal-music.co.jp/yungblud/news/2020-04-29/



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