『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』レビュー 完璧かつ不完全な最終章

レイ役のデイジー・リドリーとBB-8(Photo by Jonathan Olley/Lucasfilm LTD)

ローリングストーン誌で執筆する映画評論家、ピーター・トラヴァースは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』をどう見たか?

内輪揉めは愛と同じくらい重要

1977年に、クリエイターのジョージ・ルーカスが劇場に超大作を初めて放った時にその場に君が居合わせたとしても、昨日スマホですべてをイッキ見し始めたとしても、『スター・ウォーズ』は素晴らしい。それはちょうど、9作目(最終作と言われている)を省略することが考えられないことであるかように。そして今、監督であり共同脚本家でもあるJ.J.エイブラムスが、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観客の望んでいて、必要としている作品にしているのかどうかを早急に判断することが残されている。簡単に答えてしまうと、もちろん、そんなことはない。『スター・ウォーズ』シリーズを見続けている人たち全員に好かれるという不可能な仕事から解放されるエイブラムスは、2015年に『フォースの覚醒』でこの3つ目のトリロジーを開始し、今作でいろんなことを無理に詰め込もうとした。その結果はほとんどがカオスと化しているが、それはまた、ユーモアと愛情を織り交ぜながら、胸の高鳴る冒険の幸福感に満ちた楽しい時間でもある。確かに、君は友人と議論しようとあら探しをすることだろう。だが、それが大切なことなのだ。『スター・ウォーズ』のファンダムになると、内輪揉めは愛と同じくらい重要だ。

当然ながら、プロットに関する疑問はあることだろう。誰が生き残って、誰が死ぬのか? 誰が物語を語るのか? レイ(デイジー・リドリー)はダークサイドのカイロ・レン(アダム・ドライバー)の仲間に入るのか? レイロ(レイとレンの間の恋愛)はありうるのか? 最高のキスシーンはあるのか? レイの両親は誰なのか? 2016年に他界したキャリー・フィッシャーはどうやってレイア姫として最後にもう一度登場できているのか? ハン(ハリソン・フォード)とルーク(マーク・ハミル)の霊体が、フォースを持つ身として、登場するのか? 『エピソード9』が本当に最終作なのか? その答えだが、私にしてみると終わりには感じられない。これ以上のことを言おうものなら、ネタバレの監視者が飛びかかってくることだろう。

Translated by Koh Riverfield

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