ブラピ、ディカプリオ最新作、カルト集団マンソン・ファミリーによる殺人事件18の真実

チャールズ・マンソン(Bettmann Archive/Getty Images)


9.マンソン・ファミリーは、スパーン農場を訪れる観光客に乗馬ツアーを提供していた

ブースがスパーン農場を訪れるシーンで、マンソン・ファミリーのルル(ヴィクトリア・ペドレッティ演じるレスリー・ヴァン・ホーテン)とテックス(オースティン・バトラー演じるチャールズ・ワトソン)が観光客向けに乗馬ツアーをしている。アンフェタミン漬けになったカルト信者らが、驚きで目を見開いた観光客を馬に乗せる光景は異様に見えるだろうが、デイヴィッド・J・クライチェク著『Charles Manson: The Man Who Ruined the Sixties』によると、マンソン・ファミリーは実際に農場で乗馬ツアーをしていたようだ。乗馬ツアーは、危機的状況にあるスパーン農場のビジネスを支えていた。馬の世話をしてツアー用に貸し出す仕事は、マンソン・ファミリーがスパーン農場と結んだ契約の一部だった。

10. テックスがチャールズ・マンソンに次ぐ地位にいた

映画ではマンソンがトラブル解決のためにサンタバーバラへ行っている間、過激なテックスがマンソンの代理に任命されている。ヴィンセント・ブリオシ著『ヘルター・スケルター』によると、農場におけるワトソンの実際の役割と合致するようだ。著書の中である捜査官は、ワトソンとマンソンの2人が「農場を仕切るブレーンだった」と証言している。マンソンとは異なりワトソンには前科もなく、1968年にヒッチハイクをきっかけにマンソン・ファミリーに加わるまでは、誰に聞いてもごく普通の少年だったという。偶然にもヒッチハイクで彼を拾ったのは、ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンだった。テート殺害事件で有罪判決を受けたワトソンは、キリスト教に改宗した。彼は17回に渡り委員会に仮釈放を求めているが、いずれも認められていない。

11. リネット・“スクウィーキー”・フロムは、当時80歳のジョージ・スパーンと性的関係を持った

前述の通りマンソン・ファミリーの女性たちは、性的サービスと引き換えにさまざまなものを手に入れてきた。リネット・“スクウィーキー”・フロム(映画では過去に口汚い役も演じたことのあるダコタ・ファニングが演じている)も例外ではない。『ワンス・アポン・ア・タイム』で描かれているように、フロムは日常的に農場主のスパーンとベッドを共にし、ファミリーの女性の中でも特に彼のお気に入りのひとりだった。一説によると、農場全体を彼女とファミリーの一部メンバーに遺すようスパーンを説得しようとしていたとも言われている。テート殺害事件では罪に問われなかったものの、1975年に当時の米国大統領ジェラルド・フォードを銃撃しようとしたことでも悪名を高めた。彼女はその後もずっとマンソンを信奉しており、自分の裁判にマンソンを同席させるよう懇願したこともあったという。

12. スティーヴ・“クレム”・グローガンは、聡明な人間ではなかった

映画ではマンソン・ファミリーの誰もとりわけ聡明な人物として描かれていないが、特に嘲笑の的となっているのは(ジェームズ・ランドリー・エベール演じる)スティーヴ・“クレム”・グローガンだ。やせこけた長髪の田舎者で、ブースの車のタイヤをナイフで突き刺したためブースに殴られ、パンクさせたタイヤを自ら交換させられた。このシーンは、検察官のヴィンセント・ブリオシ著『ヘルター・スケルター』を直接のヒントにしていると思われる。著書の中でマンソン・ファミリーに近いバイカー集団ストレート・サタンズのあるメンバーが、クレムは「正真正銘のバカ者」だったと言い、カマリオ州立精神科病院を脱走した彼はマンソンの言葉をそのまま真似て話していたと証言している。実際のグローガンは脱走したのでなく、小学生の前で下半身を露出したために精神科病院へ90日間の収監を命じられたのだ。グローガンはテート殺害事件の場に居合わせなかったが、後にスパーン農場で働いていたドナルド・“ショーティ”・シェイ殺害に関わったとして死刑宣告を受けている。しかしその後「彼はあまりに頭が鈍く麻薬のせいもあり、自分自身で行動を決定できる状態になかった」として判決が覆っている。1985年、グローガンは仮釈放された。

13. 殺害当日、テートの生まれてくる子ども用の部屋ができあがった

テートが殺害された晩の直前、悲痛なエピソードがあった。テートは女優のジョアンナ・ペティットを自宅でのランチに招き、これから生まれてくる赤ちゃん用の部屋を仕上げていた。殺害される直前に子ども部屋がちょうど出来上がった、と写真家のジュリアン・ワッサーは言う。ワッサーは殺害現場の捜査中ポランスキーに同伴し、霊能者へ渡すための現場写真をポラロイドに収めた。「ポランスキーが子ども部屋へ入ってタンスを開けてみると、シャロン(テート)の素敵な写真がたくさん出てきた。彼女は本当に美しい女性だった」と2014年にワッサーはガーディアン紙に語っている。「写真を見てポランスキーは泣き出した。彼女を亡くして彼は本当にショックを受けていた。」

14. 殺害当日の晩、テートは友人らとメキシコ料理レストランでディナーとマルガリータを楽しんだ

レストラン・エル・コヨーテはポランスキーとテートの行きつけで、現在もなお営業を続けている。

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で元スタントマンを演じるブラッド・ピット(Photo credit: Andrew Cooper/Columbia Pictures)

15. チャールズ・ワトソンがテートの邸宅の住人へ宛てたのは、「俺は悪魔だ。俺がここでやるのは悪魔の仕業だ」という身の毛もよだつメッセージ

映画の中ではワトソンがクリフ・ブースに向かって言うセリフだが、実際の相手はポランスキーの友人で、アビゲイル・フォルジャーのボーイフレンドのヴォイテク・フリコフスキーだった。リンダ・カサビアンは裁判の中で、「事件後にファミリーが農場へ戻った時、テックス(ワトソン)がチャールズ(マンソン)に向かって、自分は悪魔だと殺害した人たちに宣言したようなことを言っていた」と証言している。「彼の行為は悪魔の仕業。彼は、そこかしこが恐怖とパニックに陥り、めちゃめちゃに散らかっていたと言い始めた。さらに、よくわからないが、あちこちに人が倒れていて、皆死んでいたなどと言っていた。」

16. マンソン・ファミリーのメンバーは殺害事件を起こした時、ハイになっていた

『ワンス・アポン・ア・タイム』では、シエロ・ドライブにおける実行犯であるテックス、スーザン・アトキンス(マイキー・マディソン)とパトリシア・クレンウィンケル(マティセン・ビーティ)が邸宅へ到着した時、麻薬で完全にハイになっていた様子が描かれている。映画ではダークコメディのように表現されているが、実際に彼らは事件当時ハイになっていた。さらにマンソンは農場で暮らすファミリーへ日常的にLSDを与え、言うことを聞かせていたという。

17. シャロン・テートは本当に愛らしい人だった

映画の中で最も胸が張り裂けるシーンは、エンディングだろう。作品の最初からずっと生涯を追ってきた人たちの実際の運命を知っているだけに、心が痛む。間もなく母親になることで女優としてのキャリアと人生のターニングポイントに差し掛かる、優しく気まぐれな若きテートを演じるマーゴット・ロビーの姿にも心を打たれる。テートをよく知る人に言わせると、作品中のテートは本物の彼女にかなり近いという。「彼女は本当に優しく思いやりがあり、聡明で、あらゆる面においてつつましい人だった」と、シャロンの妹デブラがヴァニティ・フェア誌に語っている。「映画の中のマーゴット・ロビーはシャロンにそっくりだったから、姉にまた会えた気がしたの」


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
全国ロードショー中
レオナルド・ディカプリオ/ブラッド・ピット/マーゴット・ロビー/エミール・ハーシュ/マーガレット・クアリー/ティモシー・オリファント/
ジュリア・バターズ/オースティン・バトラー/ダコタ・ファニング/ブルース・ダーン/マイク・モー/ルーク・ペリー/ダミアン・ルイス/アル


Translated by Smokva Tokyo

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