予防接種に疑問を唱える17人の「反ワクチン派」セレブリティ名鑑

予防接種反対を表明するセレブはジェシカ・ビール(写真中央)だけじゃない。(Photo by Jason Merritt/Radarpics/Shutterstock, David Fisher/Shutterstock, Invision/AP/Shutterstock)

ジェシカ・ビールは様々な顔を持っている。女優であり、母であり、ジャスティン・ティンバレイクのよき妻。鍛え上げた腹筋の持主で、スカーレット・ヨハンソンやナタリー・ポートマンよりもセクシーだったせいで役を逃したという持論を展開している。だが今週、ビールの経歴に新たな肩書が加わることになった。「反ワクチン派」だ。

著名な反ワクチン活動家ロバート・F・ケネディJr.氏はInstagramの投稿で、ビールとともにカリフォルニア州下院議会を訪問し、法案SB276号に反対する陳情を行ったことを明らかにした。カリフォルニア州法案SB276号は、保護者が州の保健所から承認を得た場合を除き、ワクチン接種の免除を制限しようというもの。騒動をうけ、ビールは予防接種に反対しているわけではないと主張し、Instagramにこう投稿した。「私は予防接種に反対しているわけではありません。私は、子供の予防接種を支持しています。また、かかりつけの医師と相談したうえで、自分の子供のために良識ある医学判断を下すという家族の権利も支持します」

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This week I went to Sacramento to talk to legislators in California about a proposed bill. I am not against vaccinations — I support children getting vaccinations and I also support families having the right to make educated medical decisions for their children alongside their physicians. My concern with #SB276 is solely regarding medical exemptions. My dearest friends have a child with a medical condition that warrants an exemption from vaccinations, and should this bill pass, it would greatly affect their family’s ability to care for their child in this state. That’s why I spoke to legislators and argued against this bill. Not because I don’t believe in vaccinations, but because I believe in giving doctors and the families they treat the ability to decide what’s best for their patients and the ability to provide that treatment. I encourage everyone to read more on this issue and to learn about the intricacies of #SB276. Thank you to everyone who met with me this week to engage in this important discussion!

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だが、ビールとケネディの陳情に同席していたというカリフォルニア州議会の職員ジェゼベル氏の投稿によると、ビールは友人の子供の病気が予防接種と関連があると考え、自分の子供には定期予防接種を受けさせなかったと発言したという。また、ワクチン接種の時期を遅らせることに同意してくれる医師を探しているとも認めた(このいわゆる「ドクターショッピング」行為こそ、法案SB276号がとくに廃絶しようとしているものだ)。

家族が「自分の子供のために良識ある医学判断を下す権利」を持つべきだというビールの主張は、ワクチン懐疑派の常套句だ(彼らの多くは“反ワクチン派”という呼称は曖昧だとして、自分たちは“反ワクチン派”ではなく、“ワクチンの危険性に意識が高い人々”というような、婉曲的な表現を好んでいる)。

だがこうした主張に対し、公衆衛生の専門家らはこぞって膨大な数の研究を例に挙げ、予防接種の義務化が集団免疫の維持と、脆弱な住民が予防可能な児童疾患にかかるのを防ぐためにも必要不可欠だと提唱している。実際ビールの投稿を巡る騒動をうけ、予防接種率の低下が原因で全米にはしかが大流行している中で有名人がこうした立場を取るのは危険だと大勢の人が声を上げた。

ビールと同じようにワクチンに批判的な意見を支持する有名人のリストを今回作成した。反ワクチン派を自認する者はほとんどいないが、我が子に予防接種を受けさせていないと明言しているか、予防接種の義務化に批判的またはそのような意見を支持している、あるいはワクチン全般に対するマユツバもの説を唱える人々だ。

クリスティン・カヴァラーリ
リアリティ番組のスターは2014年Foxニュースに出演した際、息子のカムデンに予防接種を受けさせていないと発言した。「いいですか、人それぞれなんですよ」と本人のコメント。「私はどちらの意見も理解しています。自閉症に関する本もたくさん読みましたし、ぞっとするような統計結果も中にはあるんです。あくまでも個人的な選択です」

アリシア・シルヴェスターストーン
映画『クルーレス』のヒロインは(その前にもタンポンが不妊の原因になるとか、ヴィーガンが流産の危険を減らすという説を唱えていた)、2014年に出版した著書『The Kind Mama: A Simple Guide to Supercharged Fertility, a Radiant Pregnancy, a Sweeter Birth, and a Healthier, More Beautiful Beginning(原題)』の中で、予防接種を声高に批判している。「きっちりスケジュール通りに一斉予防注射を受けさせることの弊害をまともに扱った研究はひとつもありません」(疾病予防管理センターは、数々の検証済み研究でワクチンの効能と相対的な安全性が確認されていると反論している)「最近医師からよく聞く話ですが、ワクチンを受けた後『子供の様子がおかしい』と心配になった親御さんから電話を受けているそうです。私の周りにも、同じような形で赤ちゃんの容体が悪くなったという友人が何人もいます」と彼女は記している。

ジェニー・マッカーシー
おそらくハリウッドでもっとも有名な反ワクチン派。彼女の息子は2歳半のときに自閉症と診断された。以来彼女は、息子の自閉症はMMRワクチン(はしか、おたふくかぜ、風疹の混合ワクチン)と関連があるという自説を声高に訴えている。多くの仲間たち同様、彼女も“反ワクチン派”のレッテルに異を唱え、PBSの番組『Frontline』でこう発言した。「私たちは反ワクチン派ではありません。安全な定期予防接種を支持しています」

Translated by Akiko Kato

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