ドナルド・グローヴァーの成功を支えたクリエイティヴチーム「Royalty」独占取材

ドナルド・グローヴァー(右から二番目)と「Royalty」のメンバー(Photo by Sam Trotter for Rolling Stone)



チームメンバーの各役割は?

他のメンバーはなんとなく自分たちの役割を区別している。スワンクは自称「チームの要」、イブラは「クリエイティヴ・プロデューサー」、ステファンはさしずめユーティリティ・プレイヤーといったところ。3人はグローヴァーを先頭に、各自の裁量でプロデューサーや脚本家を担当してきた。チャド・テイラーは2010年初期、ドナルドのツアーマネージャーを務めていたことから、グループの「物流・運営」を取り仕切る。2013年にはファムとともにマネージメント会社Wolf & Rothsteinを立ち上げた。マイルス・コンスタンティンはRoyaltyのテクニカル・ディレクターとしてグループをまとめる。2012年にグループに加入する以前は、チャイルディッシュ・ガンビーノのファンブログを運営していたが、2013年の『Because The Internet』公開中にWEBサイトがクラッシュした際に、彼が大学のルームメイトの助けを借りて修理を申し出た。運良く手にした仕事を生涯の生業とした彼は、今では技術面での業務提携や、様々なプロジェクトごとに開発チームを束ねている。

常に稼働し続けるRoyaltyだが、毎年1回全員が顔を揃えて今後のプランを話し合う。そうした会合の合間に、Slackでもコミュニケーションを欠かさない。チャドがふと第1回サミットの話題にふれる。あれはドナルドが『Because The Internet』を完成させ、次は『Awaken, My Love!』でGlassnote Recordsとの契約義務を終了しようとしていた時期だった。

「1週間みんなでリオデジャネイロに滞在したんだ。でかい家を借りて、毎日全員でブレストしたっけな」とチャドは振り返る。「ホワイトボードを部屋中に立てて、図だとかタイムラインだとか描いてはしゃべって。1週間の滞在が終わるころには、18カ月、24カ月分の予定が出来上がってた。ちょうど『アトランタ』と『Awaken, My Love!』の製作に取り掛かっていたころだね」



Photo by Sam Trotter for Rolling Stone

「各自が築き上げた帝国やメディアに戻っていく時は、『そうだ、こいつ、あいつらのライブの後あれをやりたがってたな』という感じ」とイブラが説明する。「たぶん、俺たちにはこういうやり方が合ってるんだろうな。手間はかかるけどね。ひたすらコミュニケーションを取って、自分たちの目指すところがうまく重なるところを見つけるんだ」

やがてRoyaltyのメンバーは自然と散り散りになった。成功と野望、過密スケジュールの代償。だが、家族的な雰囲気が薄れることはない。イブラはヒロ・ムライ(『アトランタ』『バリー』「This Is America」の監督)と今後の監督作品について話し合っている。彼自身もSpotify主催のイベントRapCaviar Pantheonでは、顧問として同社のクリエイティヴ部門を担当していた。ステファンとスワンクは、レブロン・ジェイムズがプロデュースする映画『ハウス・パーティ』のリメイク版に取り掛かっている。さらにスワンクは、マイク・ジャッジ(『Silicon Valley』『キング・オブ・ザ・ヒル』『リストラ・マン』)とともにHBO向けのドラマを企画中だ。誰もがサイドビジネスを抱えていて、グローヴァーの爆発的ヒットの後はメンバー全員が息つく暇もない。

Translated by Akiko Kato

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