ドナルド・グローヴァーの成功を支えたクリエイティヴチーム「Royalty」独占取材

ドナルド・グローヴァー(右から二番目)と「Royalty」のメンバー(Photo by Sam Trotter for Rolling Stone)



全員が立ち戻る大事な原点

彼らが立ち戻る原点はただひとつ、『アトランタ』だ。全員が力を結集させたこの作品は、黒人向きに作られていない社会で、黒人として成功したという(ほぼ)共通の体験を下敷きにしている。最後の2シーズンでアーンとダリウス、アルフレッドの物語は、3人の冒険の最悪な状況を物語っていた。スワンクがちらりと仄めかしたところでは、第3シーズンから自分たちの成功体験を織り交ぜていくという。そして、課税区分のランクが上がっても癒えることのない恐怖感も。



「この10年間、俺の人生で起きた出来事はまだドラマには盛り込んでいないんだ」と本人。「成り行き任せとは言いたくないけど、基本的には方向性は全部ちゃんと心得ているよ。現時点では俺たちの人生と似ているっていうだけさ。とくにドナルドが想像以上にビッグになったことで、物語はどんどん面白くなってきたね。最初は誰も見向きもしなかったけど、今じゃいろんな人がゲスト出演している。音楽活動の成功と『アトランタ』のおかげで、両方の業界から有名人が集まってくるようになった。そのうちイッサ・レイも出演するかもな」

ここでスワンクは、自らの立ち位置をジェイ・Zになぞらえて、無限の富と名声に伴う孤独を語った。

「結局のところ、誰もが奴を世界一幸せな男だと思っている。きっとそうなんだろうが、だけど奴にもつらいことがあるんだ。誰も理解できないような、つらい思いを耐え忍んでいるのさ」とスワンク。「サクセスストーリーを描くことにビビっちゃいないよ。だってほとんどの場合、みんなが楽しめるように面白おかしくしなきゃいけないし、誰だって嫌な話はごめんだろ。人々は、実際に何が起きているかを知りたがる。そういう話を俺たちは提供してやる。まぁ、自分もいくらか楽しんでるけどね。新鮮だよ」

ファム、そしてRoyaltyの他のメンバーも、沈黙しながら作業に徹している。7年前、彼らは「連帯責任の掟」を作り、各々がさまざまな業界をまたにかけ、独自の路線を切り開いた。そして今、ファムは再び沈黙に浸ろうとしている。

「無駄話は少なめに、仕事はちょっと多めに、が俺たちのやり方」と彼は言う。「この先が楽しみだね、それに尽きるよ。今こうして君たちの取材を受けているのに申し訳ないけどね。言わぬが花というやつさ」

Translated by Akiko Kato

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