ラウドロック? ピコリーモ? 進化を続けるPassCodeの真なる姿

―それにしても、このアルバムは「horoscope」以降の後半はずっとエモいですよね。

大上:エモいです! めっちゃ! 最後の「WILL」は歌詞もけっこう好きで。PassCodeって社会に反抗していくような歌詞が多いから、ライブでもその曲の世界観を出すために険しい顔で歌ったりするんですけど、これは珍しくすごく前向きな歌詞なので、「やっと前向きに踊れる……!」っていう喜びが(笑)。

―ざっくりわけると、『ZENITH』の歌詞は<感情・衝動・運命>みたいな力強いイメージだけど、『CLARITY』は<愛・夢・希望>っていう明るさがありますよね。特に愛という単語は『ZENITH』では全く出てこないけど、今回は多い。これだけ歌詞の世界観が変わると歌い方も変わると思うんですが。

大上:変わりますね。今まではレコーディングで「とりあえず必死で」とか「全力で歌って」って要求されることが多かったんですけど、今はもっと試行錯誤するようになったし、曲や歌詞の内容に合わせていろんな表情や感情で歌えるようになったのがうれしいです。平地さんはここ1年ぐらいで、私たちに前向きな曲を歌わせるのもいいなと思うようになったらしくて。

―ちゆなさんのシャウトも気持ちの乗せ方が大きく変わってるはずですよね。ポジティヴな感情に乗せるシャウトってあまりない気がするし。

今田:確かに。でも、「地獄に落ちろ」ほどじゃないけど、気持ち的にはネガティヴな感情を持ちながら叫ばないとああいう声はあまり出ないから、歌詞の和訳を見て、その言葉の重さによって気持ちを変えてます。

大上:確かに、「ハッピー!」って思いながらあの声が出ても怖いよなあ(笑)。

今田:そう(笑)。

―作品を重ねるごとにシャウトがパワーアップしてますよね。

今田:それは全然実感ないです(笑)。『CLARITY』が完成してから、レコーディングとライブでドラムを叩いてくれてるKid’zさん(MY FIRST STORY)が、「今回のシャウト、好き」って言ってくれて。そのときに「シャウト変えたやろ?」って言われたけど、別に変えてないし、そのときそのときに出てくるものが全てだから、自分では全然進化を感じなくて。成長してるんですかね?

―してると思いますよ。

大上:だって、最近はずっと英語でシャウトしてるけど、3年ぐらい前だったら考えられへんかったよな(笑)。

今田:確かに。できなくて泣いてた(笑)。

大上:「パンツ!」とか「乱世、レディーゴー」って叫んでたのに(笑)。

今田:「ドラえもん!」とか言ってた気ぃする(笑)。

大上:言ってた言ってた(笑)。「ドーナツ、イェー!」とか(笑)。

今田:そう考えたら、成長してるか。

―逆に、ひなさんのヴォーカルを聴いていてちゆなさんは何か思うことはありますか?

大上:何か思う~?(笑)

今田:めっちゃ思う。ヴォーカルは、「horoscope」が一番心にドーンときた。あと、歌は関係ないんですけど、ライブ中の陽奈子の表情を見てると、こっちが恥ずかしくなるぐらいイキってるなあって(笑)。あれを見ると元気出る(笑)。

大上:ええ~っ!?(笑)

今田:いやでもほんまに、「ここまでステージでできるんや!」って思うし、うらやましい。ここのところライブ中にメンバーの顔を見る余裕もなかったけど、こないだちょっと見てみたら「陽奈子、こんな表情するようになったんか、あはは~」って(笑)。

大上:それ、馬鹿にしてるやろ!(笑)。陽奈子、そんなイキってたんか(笑)。

今田:イキってるし、ちょっとセクシーさ出そうとしてんのかなって(笑)。

大上:「出そうとしてる」ってことは、出てないってことやん! めっちゃ恥ずいやん!

今田:出てる出てる! でも、ホンマ、うらやましいと思う。

―まさかライブ中にそんなことを思われていたとは(笑)。

大上:知らなかったですねえ(笑)。自分がそんなに入り込んでるとも思わなかったし、それを見られてるとも思わなかった(笑)。前よりはその曲に合った表情をしようとは思ってはいますけど、まさかそんなことになってたとは。

今田:でも、客席から見たらあれぐらいが丁度いいんやろなって。近くで見ると……ふふふ。

―やっぱり、ちょいちょい馬鹿にしてますよね?(笑)

大上:ね! ね!(笑)

今田:いや、ホンマ、うらやましいんやで!? 純粋に「すごいな」「いいな」って思うんですけど、そう思う半面、「クスっ」てなっちゃう。

―言わんとしてることは分かります! PassCodeのスタッフの方も、最近のメンバーは表情が豊かになって、つい表情を追っちゃうって言ってましたよ。

大上:うれしい。そういう意味では高嶋が一番変わったと思います。

今田:うん、変わった。

大上:前までは、ほんわかした表情か無表情が多かったんですけど、最近はカッコいいところもチラホラ現れて現れてて。練習中もメンバーの表情が見えるんですけど、「あ、かえちゃん(高嶋)、カッコいい」って思うことが増えました。あと、仕草。メジャーになってからソロの振りが自由になることが多くて、はじめはみんな苦戦してたんですけど、最近は特にかえちゃんがカッコいいなって思うことが増えました。

―ちゆなさんはかっぴさん(高嶋)についてどう思ってますか。

今田:陽奈子と同じです。DVDを観てると一番変化したなって思う。多分、前も楓なりに努力してたと思うけど、今は表情の幅が広がって「ああ、すごい」って思います。

―では、やちいさんについてはどうでしょう。

大上:やちいは前から持ってた「感情を出す」っていう力がもっと伸びたと思いますね。煽ってるときの自由度がさらに増してて、やちいのライブ写真を見ると、「このポーズ、何!?」って思うことが多くて、「めちゃ自然にいろんな動きしてるんやな」って感じがしますね。メンバーの中で一番体が自由に動いてる感じ。

―ちゆなさんはどうですか?

今田:いい意味で爆発したなって思います。自分を見せるのがうまい。「ここでこうしたらカッコいい」っていうのをちゃんと自分で考えられてるし、その種類が豊富やなって思います。

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