ラウドロック? ピコリーモ? 進化を続けるPassCodeの真なる姿

―そして年が明けてびっくりしたのが、ちゆなさんがシャウトとナレーションを担当したDMM.comのCMです。何か反応はありましたか?

今田:友だちからLINEがきたぐらい(笑)。「叫んでるの、夢菜じゃない?」って。画面の隅にちょっとだけ名前が載ってたから、普段あまり連絡がない子からもLINEがあったり。

―自分では見なかったんですか。

今田:2回ぐらいしか見てないです(笑)。

大上:え~っ!? めっちゃ見た!

―めっちゃ見ましたよねえ。

今田 夢菜は普段あまりテレビを見ないんですけど、その頃は家族が楽しみにしてたからわりとお家でテレビがついてて。それでも2回ぐらいしか見てない。

―あのCMを見ないで過ごすことのほうが難しいのに。あの曲のレコーディングはどうでしたか?

今田:楽しみながら録れました。でも、ナレーションに関しては友だちから「ぶりっ子すんな」って言われました。ナレーションはシャウトするよりも緊張しました。ニコニコしながらじゃないとあんな声でぇへんし。

大上:ニコニコしながらアレ言ったん?(笑)

今田:頭の中に雲を浮かべながらナレーションした(笑)。

大上:私が初めてCMを見たのは家で別の用事をしてるときで、画面を見てなくてもCMが流れた瞬間、「これや!」って分かりました。たった15秒の間でもシャウトと音だけでPassCodeの色がめっちゃ出てるんやなって。声は夢菜ちゃんのシャウトだけやけど、友だちからめっちゃ連絡がありました。

今田:へぇ~。

大上:「これ、絶対パスコやんな!」って。

―Twitterでの反応もすごかったですよ。「誰だ、これ」「PassCodeっていうんだ」「YouTubeで聴いたけど、けっこう好きかも」みたいなツイートがたくさんありました。

大上:(手を叩きながら)やったぁ!

―そして、1年8カ月ぶりとなる新作『CLARITY』がリリースされたわけですが、アルバムの話の前に、これまでに発表した楽曲の中で、サウンド面で2人が最もPassCodeらしいと感じる曲はなんですか?

大上:私は「MISS UNLIMITED」ですね。PassCodeは「音が重たい」とか「ラウド」っていうふうにメディアに取り上げられることが多いんですけど、ピコリーモの要素もすごく重要で。「MISS UNLIMITED」はまず、ゲーム音で始まるのが自分たちらしいと思うし、ポップな曲かと思いきや、急にシャウトが入ったり、あとは南(菜生)と高嶋(楓)の機械っぽいラップパートもあって、自分たちの個性がたくさん生かされてると思います。私たちのコンセプトをあの1曲が表しているような気がしますね。


南菜生(Photo by Shingo Tamai)


高嶋楓(Photo by Shingo Tamai)

今田:夢菜は「AXIS」ですね。PassCodeの歌詞って英語が多くてバンドの音が強いから、PassCodeは“強い”イメージだと思ってて。そこから考えてパッと思い浮かんだのが「AXIS」です。



―これまでの作品と比べたときに『CLARITY』ってどういう作品だと思いますか。

大上:南の言葉を借りると、『ZENITH』がモノクロだとしたら、『CLARITY』はカラフル。『ZENITH』は攻め攻めで、白と黒で構成されているイメージがあったんですけど、今回はそれぞれの曲に色があるし、全部の曲が違うジャンルだから、1曲目から通して聴くと楽しいと思います。ライブに関してもガラッと雰囲気を変えられそうな曲が増えたので、それはすごくいいなと思います。



今田:今回は気持ちが軽くなった気がする。『ZENITH』は重たーくて、「オラオラ~」って感じやったけど、『CLARITY』は、ふわ~、ぽろーん、ころーん、みたいな。でも、聴きやすくなったけどPassCodeの色もちゃんとあるし、「PassCodeはこういうこともできるんや」っていう曲もあると思います。

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