有罪判決に意義を唱えたポッドキャストがヒットし再審、裁判所が出した判決は?

アドナン・サイードの名前は、2014年にポッドキャスト番組『シリアル』に取り上げられたことをきっかけに世に知れ渡った。 HBO


しかし、メリーランド州の前司法副長官シル・ヴィグナラジャは、「グティエレスがマクレイン・チャップマンを証人として呼ばなかったのは彼女の弁護戦略の一環だったのだろう」と主張し、上級裁判所はウェルチ判事の決定を覆した。ヴィグナラジャはまた、「サイードの有罪判決を無効にすると、全ての弁護士は弁護のために証言の重要性にかかわらず全ての証人を裁判に呼ばねばならない、という先例ができてしまう」と主張した。

「サイードの事件を担当する検察官は、マクレインの証言が無実を証明すると陪審員が捉えた可能性がわずかながらあったからといって、彼女を証人として呼ぶ義務はなかった」と、サイードの有罪判決を支持した州裁判所は主張した。「道理をわきまえた刑事被告人の弁護士であれば、いかなる裁判においても、弁護士は“下手な鉄砲も数撃てば当たる”というやり方はしないだろう。その代り、無罪につながりそうな証拠をひとつずつ評価し、実際に被告人のためになるかどうかを確認すべきだ。」

グティエレスからさらなる説明が聞けない中、裁判所は実質的に、サイードの弁護は不十分だったかもしれないものの、「裁判の結果に影響を与えた可能性があると合理的に推測できるまでには至らない」と結論付けた。

一方でサイードの弁護士ジャスティン・ブラウンは、裁判所側の論理に強く反発した。「殺人が行われた正にその時間にアドナンと一緒にいたとする、信用できるアリバイ証人がいる。それに対し控訴裁判所は、証人は裁判の結果に影響を与えなかっただろうと主張した。我々は、裁判所の言うことの逆が正しいと思う。被告人から見ると、アリバイ証人ほど強力な証拠はない。」

サイードの弁護団が今回の裁判所の決定に対して不服を申し立てるか否かにかかわらず、この事件は再び世論という裁判の場で裁かれるだろう。4部構成のドキュメンタリー番組『The Case Against Adnan Syed(アドナン・サイード裁判)』が、2019年3月10日よりHBOで放映される。

Translated by Smokva Tokyo

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