米大統領選の立候補が噂される元スタバCEO「最近の民主党はかなり左派寄りだ」

ハワード・シュルツ(Photo by Pier Marco Tacca/Getty Images)

2020年の次期米大統領選で独立派として立候補すると見られているハワード・シュルツ氏。スターバックスの元CEOでもあるシュルツ氏は、自らを「サイレント・マジョリティ(声なき多数派)」の代弁者だとアピール。だが、彼が提案する「福祉受給資格制度の見直し」には幅広い層が拒否反応を示している。

今週、シュルツ氏はリチャード・ニクソンの言い回しを使って、自分は二大政党いずれにも属さない「サイレント・マジョリティ(声なき多数派)」の代表者である、とTwitter上で主張した。



<我々全員が、自分の胸に問いかけるべきだと思う。いま現在、アメリカの政治体制が崩壊していることは火を見るより明らかだ。二大政党はアメリカ国民のサイレント・マジョリティの声を反映していない。ならば、他にいい方法があるのでは?>
2019年1月29日

この表現には暗い過去がある。ニクソン元大統領は1969年、反戦抗議派の意見を押しのけてベトナムでのアメリカ兵を倍増するべく、スピーチの中で「サイレント・マジョリティ」に訴えた(ニクソンはその前に、紛争を終わらせる秘策があると内部関係者に漏らしていた)。結局悲惨な戦争は1973年まで続いた。

現在65歳のシュルツ氏もあの時代を生き抜いてきた当事者だが、1999年の自伝の中で、ベトナムはそれほど気にしていなかったと記している。「あの時代はすごく楽しかった。気楽な時代だった」「徴兵登録番号は332番だったので、ベトナム行きを心配する必要はなかった」

面目丸つぶれとなった元大統領の無駄なあがきはさておき、赤字打開に熱心な独立派シュルツ氏が声なきアメリカ国民から支持されている、という本人の主張は少々異なる。先週、TV番組『60ミニッツ』でスコット・ペリーのインタビューを受けたシュルツ氏は、民主党と決別したのは、彼らが210億ドルという国の負債に取り組まないからだと述べた。

昨年夏、別のインタビューではさらに具体的にこう述べた。「私が懸念しているのは、民主党内の大多数の意見がかなり左派寄りになっていることです。単一支払者制度などの費用をどうやって払うつもりなんでしょうね。人々はみな、政府が本当に国民全員に仕事を与えてくれると信じこんでいますよ。現実的だとは思えません」。その代わりシュルツ氏は、アメリカのGDPを4パーセント増加させたいと述べたうえで、こう付け加えた。「我々は福祉受給制度を見直すべきです」と、社会保障、メディケア、メディケイド予算に言及した。

さて、アメリカ国民の意見は? シュルツ氏本人が代弁者だという多数派の意見は?

結論として、単一支払者医療保険制度は多数派から歓迎されている。最近行われた世論調査によれば、70パーセント強のアメリカ人が国民皆保険型メディケアを支持している。あくまでもひとつの調査結果だが、共和党の多数派も支持しているようだ。

連邦雇用保障(政府が国民全員に雇用を保証するという制度)もまた、大多数のアメリカ人に受け入れられている。最近の世論調査では、賛成派52パーセントに対し、反対派は29パーセントだった。

Translated by Akiko Kato

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