ピンク・フロイドのドラマー、長年のメンバー同士の不仲を語る「本当にがっかり」

デイヴィッド・ギルモアとロジャー・ウォーターズの関係は、ウォーターズ脱退後もバンドがピンク・フロイドとして活動を続けた約20年間が、特に冷え切っていた。しかし2005年、両者が一時休戦してチャリティイベントLive8のために再結成したことは、大きな反響を呼んだ。恒久的なバンドの再結成にはつながらなかったものの、2010年夏、英国で行われたパレスチナの子どもたちのためのチャリティイベントで、2人はミニコンサートを開いた。さらに翌年ギルモアは、O2アリーナで行われたウォーターズのコンサートで『コンフォタブリー・ナム』を共演し、アンコールにはメイスンも加わった。

その後7年間、3人が共演することはなかった。2014年にリリースした故リチャード・ライトに捧げるピンク・フロイド名義のアルバム制作の際も、ギルモアはウォーターズへ参加を呼びかけようとはしなかった。「僕らの今やっていることと彼(ウォーターズ)とを関連付けようとする考えが理解できない」と、ギルモアはローリングストーン誌に語っている。「ロジャーは、ポップ・グループの一員であることにうんざりしているんだ。キャリアを積みながら彼は権力を独占することに慣れてしまった。何かを民主的にやろうなんてことは、彼には向いていない。しかもロジャーがバンドを離れたのは僕が30代の頃で、僕はもう68になる。生きてきた内の半分以上前の話だ。今さら多くの共通点を見出すことなんてできない」

ピンク・フロイドの多くのファン同様、メイスンもまた現在も続く2人の不和にフラストレーションを感じている。「喧嘩と和解の繰り返しだ」と彼は言う。「アルバム再発の話が出た時には、そのやり方や選択方法でより一層揉めると思う」

しかし、メイスンは停戦を諦めた訳ではない。「望みは持っている」と彼は語る。「ピンク・フロイドとしてツアーに出ることはもうないと思うが、この歳になってまだ喧嘩しているなんて、おかしいだろう」

では、どのようにメイスンは仲違いする2人の間でニュートラルな立場を維持するのだろうか? 「じっと身をかがめてやり過ごすだけさ」と彼は言う。

Translated by Smokva Tokyo

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