ブライアン・メイが語る、クイーン昨年のツアーと映画『ボヘミアン・ラプソディ』

アダム・ランバートをフロントマンに迎えて、ツアーを行ったクイーンのギタリストのブライアン・メイ (Photo by Mindy Small/FilmMagic)

クイーンのギタリスト、ブライアン・メイが、アダム・ランバートをシンガーに迎えたバンドのサマーツアー、楽曲『ウィ・ウィル・ロック・ユー』の力、そして絶賛公開中の伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』への思いなど、昨年の夏にローリングストーン誌に語ってくれたインタビューを再録する。

2017年夏、アダム・ランバートをフロントマンに迎えて北米アリーナ・ツアーを回ったクイーン。ギタリストのブライアン・メイは、まるでデジャヴだと言う。「あの頃のように大規模なツアーだったから、まるで昔に戻ったような気分だった」とメイは語る。「アリーナでプレイできて、とても光栄だしとても幸せな気持ちだ。これまでにやったどのツアーよりもスケールが大きい。昔のようにビッグで、デンジャラスで、盛り上がっている。僕らは時代遅れではない。今を生きるバンドなんだ」。

2017年6月末からバンドはサマー・ツアーをスタートさせ、8月初旬にかけて北米を回った。コンサートでは、彼らの名曲の数々を披露した。「かつてプリンスが言っていた。“ヒット曲が多すぎる。ヒット曲だらけだ”ってね」とメイは言う。「嬉しい悩みだ。長いことライヴで披露していない曲もやるつもりだが、問題はどの曲を除外しようかってことだ」。

「ファンは、栄光の時代の“アメリカーナ・クイーン”を求めているに違いない。アメリカの社会を沸かせていたあの頃さ」とメイは言う。『ウィ・ウィル・ロック・ユー』や『伝説のチャンピオン』がリリースされた1977年頃のことだ。サマー・ツアーでバンドは、ランバートのソロ曲のほか、メイのソロ・アルバム『バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜』(1993年)の曲もプレイした。「以前と同じようにフレキシブルなんだ」と語るギタリストのメイは、2017年にシンガーのケリー・エリスと共にアルバム『ゴールデン・デイズ』をリリースした。「僕らはバッキング・トラックやクリックに合わせてプレイしたりしない。だから成り行きで好きにプレイできるんだ。僕らはアダムのこともよく理解できたから、一緒にやっていける。だから、あの頃のような感覚になれるのさ。でも全てが新しい。今のオーディエンスは、1970年代に僕らの曲を聴いていたファンの子どもや孫たちだからね。僕らは少し歳を取ったということさ」とメイは笑う。「そう老けてはいないよ。少しだけさ」。

興味深いことにメイは最近、バンドの今の立ち位置に安らぎのようなものを感じたという。それは、1970年代のアメリカにおけるクイーンのライバル・バンドを観た時のことだった。「少し前に、子どもたちを連れてエアロスミスを観に行ったんだ」と彼は、ローリングストーン誌との多岐にわたるインタヴュー中に明かした。「エアロスミスはある意味で、僕らと似ている。全てがリアルで生き生きとしていて、デンジャラスなままだ。そしてどこにもセーフティネットなんか存在しない。ステージを観ている自分の子どもたちを観察して思った。“僕は何も卑屈になる必要はないんだ。これがリアルなんだ”ってね。僕らは疑いなくリアルなんだと感じている。僕らは僕らであり、完璧にはなれないだろうが、これまでに見せたことのないような何かを見せることはできる。現代の“何か”さ」。

ー2017年のサマー・ツアーでファンは何を期待できるでしょうか?
(※本インタヴューは2017年のサマー・ツアー開始直後に行われたもの)

以前の僕らのコンサートを観たことがあるファンにとっては、とても驚きだろう。かつてのショーとは全てが違っているからね。僕らは、最新テクノロジーや新しいおもちゃを採り入れるのが大好きなんだ。もちろんレトロな要素もあるが、とても新鮮に見えると思う。それに僕らには、驚異的なシンガーという武器も増えたし。アダムはあらゆる面で傑出している。

Translated by Smokva Tokyo

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