ブライアン・メイが語る、クイーン昨年のツアーと映画『ボヘミアン・ラプソディ』

ーフレディ・マーキュリーとクイーンの伝記映画に関して、何か新しい動きはありますか?
(※本インタヴューが行われた時点では、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の正式アナウンスはされていなかった)

あるね。映画が実現したということがニュースだろう。僕らは12年間取り組んできたが、もう間もなくFOXがゴーサインを出し、正式にアナウンスされるだろう。本当にもう間もなくだと思う。

スターが現れた。フレディを演じるラミ・マレックは、本当に素晴らしいと思う。存在感が大きく、プロジェクトに完全にマッチしている。素晴らしい。僕らは彼と短時間一緒に過ごしたが、彼はもうフレディになりきっていて、見ていて感動した。そしてプロデューサーのグレアム・キングも素晴らしい。彼は、ハリウッドだけでなく世界的に見ても最高の独立系プロデューサーだと思う。そして彼の組んだチームも素晴らしい。さらに、脚本が本当にいいんだ。

だから僕らは、プロジェクトの祖父母のようにただ座っていればよかった。僕らは音楽を監修しているが、これもまた素晴らしいプロジェクトだ。ただの映画を製作しているのではない。この12年間、僕らの知るフレディの本当の姿が伝記映画の中で描かれるように取り組んできた。僕らにとっては一発勝負で、それが全てだ。

ー映画以外に取り組んでいることはありますか?

3年間かけて1冊の本を仕上げた。『Queen in 3-D』というタイトルで、僕がツアー中に撮影した立体写真を中心とした本だ。間もなく(2017年8月)出版されるので、楽しみにしている。

初めはただの写真集の予定だったが、出来上がってみると伝記のようになった。ステージ裏や公の場での姿からプライベート・ショットまで、多くの写真が使われている。どれも未公開の写真だ。ツアー中に入手できるだろう。持ち歩くには重い本だが、僕らがプレイするアリーナ会場で販売されると思う。

ーこれらの立体写真はいつ頃から撮り始めたものですか?

立体写真は12歳の頃に覚えた。シリアルのパッケージに付いていた小さな立体写真カードを集めていたんだ。普段は平面に見えるんだが、専用のメガネを通して見た瞬間にバーチャル・リアリティの世界へと入っていける。僕は立体写真の虜になった。その時から、平面写真には興味がなくなった。3-Dの立体写真が撮りたいと思うようになったんだ。ライフワークのようなものさ。クイーンのツアー中はずっと、立体写真用のステレオカメラを持ち歩いていた。立体写真を見ていると、まるで自分がその場にいるような感覚になる。フレディの横に立ち、彼に触れることができるんだ。

ーゲームの“モノポリー”にも登場しています。

そう。たくさんの情報をインプットして、本格的なものにするために力を入れた。モノポリーというとありふれたもののようだが、誰もが楽しめるゲームだ。一般的にはビジネスをテーマにしたゲームだが、クイーン・バージョンはもっとクリエイティヴで、きっと楽しめると思う。

ーゲーム中のパークプレイス等の名称は変更していますね?

その通り。オリジナルには最も高級な場所として、ボードウォークやパークプレイスが登場する。クイーン・バージョンではそれらがネブワース・パークやウェンブリー・スタジアムになっている。さらにマディソン・スクエア・ガーデンや、僕らが初めてプレイしたインペリアル・カレッジ、それに東京の武道館なども登場する。自分でも早く遊んでみたいよ。ゲームに使用する駒は、ギター、『ブレイク・フリー(自由への旅立ち)』のビデオに登場する掃除機、自転車に乗った女の子など、正にクイーンらしい。きっと楽しめると思うよ。

ー他に言っておきたいことはありますか?

(ため息)世界平和について話したいかな。

ーわかりました。どうしたら世界平和を実現できるでしょうか?

(笑)個人的な意見では、世界的に、間違った人たちが権力を握る傾向にあると感じている。つまり、権力の座に就きたいと思っている人間は、本来その地位にいるべきでない人間なんだ。世界中でその傾向を正すべきだと思う。

今の状況は良くないように僕の目には写っている。僕は、動物愛護に関して多くのロビー活動をしていることもあり、政府レベルに近いところから状況を見ることができる。何が起きているかがわかるんだ。政治にどれほど利己主義が持ち込まれているか、そしてお金と権力によってどれほど政治が支配されているかが見える。本当に悲しいことだ。物事を正すための知的革命のようなものが必要だと思う。答えがあればいいのだが、僕は今取り組んでいるところなんだ。

Translated by Smokva Tokyo

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