中川翔子×AC部 すり減らない「面白さ」を生み出す術

写真左から、AC部の板倉俊介、中川翔子、AC部の安達亨(Photo by Shuya Nakano Styling by Aya Omura Hair and Make-up by Toh)©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード ©AC部



中川:ちなみに実際の作業は、どんな役割分担でやっているんですか?

安達:作品ごとに色々変えてます。例えば敵キャラと味方キャラとか、作画のカットごととか。人物と背景っていうのもやりましたね。

板倉:「ボブネミミッミ」に関しては、週2本ずつ作るので、「今回はこんな感じで」っていうのを話し合ったら、お互いに分けて1人1本ずつ担当しています。

中川:ええ? じゃあ、あのサンバ師匠みたいな画風と、ポプ子とピピ美の画風の違いも1人で出しているってことですか?

板倉:そうなんです。僕ら2人とも色んな画風が描けるので(笑)。

中川:驚くことだらけ……。じゃあ「エイサイハラマスコイおどり」を描いたのはどちらですか?

板倉:あれは僕です(笑)。原作の踊りをそのままやったらずっと可愛くなっちゃうなと思って。どうしようと思って2時間ぐらいベッドに潜り込んで悩んでたんですけど(笑)、ふと高校のときの友だちを思い出したんですよ。僕の前で、急にあの動きを披露してきた友だちが昔いて(笑)。『ストリートファイターII』の絵って、大抵は横から見ているものじゃないですか。その動きを正面から見たのはそのときが初めてで(笑)。その隙だらけの間抜けなアングルは面白いなと思って取り入れてみました。

中川:高校生の頃の、自分たちにしか分からないような独特のノリってありますよね。それを思い出して、みんなが共有できる笑いに落とし込むってすごいことです。あれがヌルヌル動くヴァージョンも気持ち悪くて最高でした。

安達:あれは僕が作りました(笑)。自分で実際に動いてみて、それを動画で撮ってアニメにトレースする「ロトスコープ」という手法を使っています。

中川:そんな大変な技術を用いているとは!(笑) 何回見ても面白くてすり減らない感じって、どうやって出しているんですか?

板倉:そこは確かに意識はしていますね。作りながら何度もプレビューして、繰り返して観ているんですよ。それで、うまくいってるときは自分でもハマるんですよね。何度観ても飽きないというか、目が離せなくなるんですよ(笑)。

安達:動画を延々とループさせて、それを観ながら「いい動きだ」って(笑)。

中川:(笑)。作る側がちゃんと「面白い!」と思ってから出しているんですね。

板倉:その判断基準を、僕らは「AC部」のフィルターを通して外に出しているというか。「AC部」にクライアントが求めている作品を、僕らが代理でプレゼンするみたいな。

安達:「AC部がこう言ってるから、次はこうしよう」とか、そういう感じで話し合っているんです。だから、そこに作家性のようなエゴはないんですよね。常に「AC部として、どうなのか?」っていうことを作品作りのときは考えている。なので意見の衝突もないし、もしあったとしても常に「AC部としてどうか?」に立ち返ることで、打開してきましたね。

中川:そうか。だから分担を自由に刻むことが出来るんですね。お二人がどうアプローチしても、ちゃんと「AC部の作品」になるというか。

板倉:そうですそうです。「自分が描いていて気持ちいい」とか、そういうところじゃないんです。それが結構罠で、いざ出してみると普通になっちゃったりする。そこは惑わされないよう気をつけています。


Photo by Shuya Nakano
©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード ©AC部

※本記事は「中川翔子のポップカルチャー・ラボ  presented by FUN’S PROJECT」からの転載です。続きはこちらでチェックできます。


Photo by Shuya Nakano

AC部
1999年頃に多摩美術大学在学中に結成されたクリエイティブチーム。ハイテンションで濃厚なビジュアル表現を持ち味に、映像やイラストレーションなどあらゆる形の創作に挑み、人々の暮らしに驚きと生きる活力を与えていくことを目的としている部活。アニメ『ポプテピピック』の人気コーナー「ボブネミミッミ」や、ORANGE RANGE「SUSHI食べたい feat.ソイソース」のミュージックビデオ、「18歳選挙権」のPR キャンペーン映像など、ジャンルを問わず様々な分野で活躍している。
http://www.ac-bu.info/


Photo by Shuya Nakano

中川翔子
女優・タレント・歌手・声優・イラストレーターなど、多方面で活躍。東京2020大会マスコット審査員や、2025年万博誘致スペシャルサポーターとしても活動中。また、近年は女優として積極的に活動を行い、2015年朝の連続テレビ小説『まれ』、2017年TBS系『あなたのことはそれほど』、2018年ミュージカル『戯伝写楽2018』、NHKドラマ『デイジー・ラック』などに出演。音楽活動では、9月23日に渋谷ストリームホールのこけら落としコンサートを開催予定。
http://www.shokotan.jp/

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