米国宇宙軍は「未来的な製品のマーケティング・コンセプト」でしかない

2018年8月9日、国防総省でトランプ大統領の推進するスペースフォースについて会見するマイク・ペンス副大統領(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)



スペースフォースに所属するメンバーの大半は、既存の各軍やインテリジェンス機関の兵士で構成されると思われる。彼らは、“陸・海軍の大将クラスが指揮する宇宙における軍事作戦のための統合軍”に所属することとなる。フロリダ州タンパに司令部を置き、中東やアジアにおける紛争の際に各軍のリソースを利用できる米中央軍と似ている。「USスペースコマンド(米宇宙軍)」という名前に聞き覚えがあるかもしれない。かつて実際に存在した統合軍で、基本的に今回のスペースフォースと同様の任務を負い、2002年まで活動した。ペンスによれば今回の宇宙部隊は、他の軍にならった文民の“宇宙軍担当長官”でなく“宇宙担当国防次官補”が率いるという。

スペースフォースは海軍とは異なる。米海軍では所属する32万8267人の水兵のほとんどが、たとえ短期間でも、海に出ている。スペースフォースはどちらかといえば空軍に近いかもしれない。米空軍の航空兵の内わずか4%がパイロットとみなされている。それでも1万2363人のパイロットが存在する。人類の中で宇宙へ出たことのある人間は、わずか550人ほどしかいない。

しかしトランプ大統領は、今もこれまでもずっと、何かに固執している。憲法を支持・擁護するためではなく、人権を守るのでもなく、またいわゆる“国益”に奉仕する訳でもなく、何でもよいのであれば、軍隊を作るのに必要なのはたった2つ。暴力を組織化する能力と、それを管理する適切な人間だ。

ペンスの会見では、2つの注目すべき点があった。ひとつは、新設するスペースフォースの“バックボーン”は高度に訓練された屈強なグリーンベレーやネイビーシールズのように、“宇宙分野に特化した合同部隊のエリートグループ”になるだろう、とペンスが保証したこと。

ふたつめは、トランプの公式ウェブサイト上で展開される、トランプ大統領と共和党全国委員会のためのスーパーPAC(特別政治活動委員会)である『Trump Make America Great Again Committee』が、ドナーに対して“アパレルのニューコレクション”向けのスペースフォースのロゴデザイン案6種類をメールし、投票させていること。デザインのひとつはNASAとそっくりなデザインで、また別のデザインには“火星が待つ”と書かれている(誰もスペースフォースが火星まで行くとは述べていないが)。宇宙の広大さからすれば“火星が待つ”とは随分と小さな話に聞こえるが、現代の米国人の想像力が携帯電話の画面サイズほど小さいことを考えると、ちょうどよい。






Translated by Smokva Tokyo

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