デイヴ・グロールが回想、誰もいないスタジアムでプリンスとセッション:「今まで生きてきた中で一番素晴らしい経験」

グロールとプリンスが会ったのは2011年5月だったという。

デイヴ・グロールは、米人気番組「ジミー・キンメル・ライブ」で、誰もいないスタジアムでプリンスと一緒にレッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛/Whole Lotta Love」を演奏したという思い出を語った。

畏敬と後悔が入り混じった表情のデイヴ・グロールが、米国現地時間8月2日のジミー・キンメル・ライブで、観客が一人もいない会場で自身のヒーローであるプリンスと一緒にジャムを行うことになった経緯を語った。

グロールとプリンスが会ったのは2011年5月。米カリフォルニア州ロサンゼルスのフォーラムでプリンスが21夜連続コンサートを行っていたときのことだった。「俺は友達20人くらいで、貸し切りのパーティーバスでフォーラムに行った。もちろんフォーラム到着時の俺らは完璧な酔っぱらいだった」とグロール。

プリンスに、グロールに会いたい、彼とジャムるからステージに連れてきてくれと言われたスタッフが迎えに来たが、グロールは酔っ払い過ぎて演奏はムリだった。「コンサート後にプリンスに会って、俺は『いつジャムしたい?』って聞いた」と、グロールが続けた。「彼は『金曜日はどう?』って言ったから、俺は『わかった』と。彼が『じゃ、電話する』って。俺は毎日電話を片時も離さずに、彼からの電話を待ち続けた。『プリンスから電話が来る! プリンスから電話が来る!』って一人で大騒ぎ。もちろん、プリンスから電話はなかったよ。そしたら、『会場に行ってみたら』と教えてくれた人がいて、サウンドチェックの時間に行ってみたんだ。会場には誰もいなかった。空っぽだったよ。アリーナの真ん中まで歩いて行ったら、プリンスが気付いて、『お前、ここで何やってんだ?』って。だから『ジャムするって予定だったけど……違うの、プリンス?』って言ってみた」。

そのあと、グロールはドラムセットに座り、二人はレッド・ツェッペリンの有名なハードロック・アンセム「胸いっぱいの愛/Whole Lotta Love」をジャムったのである。この瞬間を思い出すと、今でもグロールは笑顔になると言う。「あれは、本当に神にかけて誓うけど、今まで生きてきた中で一番素晴らしい経験だったし、そこには俺たち以外は誰もいなかったんだよ。フォーラムが完全に空っぽだったんだから」とグロールが述べた。

プリンスはその翌週の同じ夜にステージでこのジャムを再現したいと言った。しかし、翌週のその夜のグロールは子供の学校のイベントで忙しかったのである。このときのジャムを証明する唯一の証拠は、グロール自身が録音した音源だけだと言う。そして「あのジャムの音源をCDに焼いてあるから、あとで君に1枚送るよ」とジミー・キンメルに約束したのだった。

同番組の違うインタビュー場面で、グロールは23分間のインストゥルメンタルの新曲「Play(原題)」の骨の折れる制作過程について説明した。この曲でグロールは7種類の楽器をすべて一人で演奏している。

「録音ボタンを押してからドラムを叩き出したけど、23分間演奏をとめることができなかった」とグロール。「だから最初から最後まで演奏して録音する以外なかった。でも俺は譜面が読めないから、23分間の演奏を全部記憶しないとだめだったのさ。そうやって、ドラムセットから次の楽器、その次の楽器と順番にやったけど……マジで、あれは上手くできるかやってみる、ミスしないでフルテイク演奏できるかやってみる、それだけの長さの音楽を記憶できるか試してみるって状況だった」。

グロールは苦労したこの制作過程を映像で記録し、記録映像を編集して独特のドキュメンタリーも作っている。「俺の分身が7人いて、全員一緒にスタジオで演奏している様子っていうのが、マジックマッシュルームでトリップするくらい異常な光景だと思ったんだ」と。そして続けた。「このアイデアを思いついて、俺は一瞬『う〜ん、ちょっとバカみたいだな』と思った。でもスタッフが『OK。もうスタジオも押さえたし、カメラマンも予約した。準備万端だ』と言ってきたのさ」。

この夜、キンメル・ライブに登場した直後、グロールは司会者にグロテスクなプレゼントを渡した。グロールの生首の作り物だ。これは2017年のアリス・クーパーズ・ハロウィンからのお土産だと言う。

「これを自宅に持ち帰ったら、まず子どもたちが怖がった」とグロール。「そして、お手伝いさんも怖がった。そこで俺は『そろそろコイツを家の外に出さないとな』って思ったわけだ」と、番組に持ってきた理由を説明したのだった。



Translated by Miki Nakayama

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