ツタロックフェスの仕掛け人と兵庫慎司が語る「邦楽ロックの現場で起きてること」

写真左が「ツタロックフェス」のプロデューサーを務める前田博章、右が音楽ライターの兵庫慎司



兵庫:それで言うディスクガレージが「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」で、ヴィンテージロックが「OTODAMA」なのかな、っていうね。で、前田くん、かつては「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」と「COUNTDOWN JAPAN」の出演者だったわけじゃないですか。DJブースのレジデントで。

前田:はい。夏と冬、10年くらいやらせてもらいました。

兵庫:たとえばあの現場でずっと体験したことが、今自分が「ツタロックフェス」を作る上で役に立っていたりします?

前田:そうですね。あの時の感覚って今でも残っていて。新しい音を聴いて「いいな、このバンド」と思う時の視点って、あそこでDJをやっていた時の感じがずっと抜けていなくて。というか、音楽を聴く上でずっと残ってますね、無意識に。DJをやめて何年も経ちますけど。たとえば僕、そんなに音楽を深く詳しく理解しているという自信はないんですけど。ただ、お客さんが「こういうの好き」って感じるのをパッとキャッチすることはできていたのかな、だからああいう場で続けさせてもらえたのかな、と自分では思っていて。

この「ツタロックフェス」のブッキングも……自分的に「今これを聴いてほしい」っていうのが活かせてるのかな、と思っていて。たとえば、このフェスの出演者にKANDYTOWND.A.N.が入っているのって、「違和感がある人もいると思うよ」って言われるんですけど。でも、自分としては何も違和感がなくて。

兵庫:ああ、「俺だったらDJで並べてかけますけど」っていう。

前田:(笑)そうです、そうです。で、どのタイミングで、どういう流れでかければその曲がかっこよく響くのか、っていうのは考えながらやりますけど。フレデリックBase Ball Bearは続けてかけられるし、そこからD.A.N.にも行けるし。っていうようなことは考えますね。だから、僕のDJの、「今このバンドが面白いよ」っていうセットリストになっているのかもしれない、今回の「ツタロックフェス」のラインナップは。それをフェスとしてどういうふうに見せていくか、というテーマはあるんですけど。

兵庫:でも正直、「ツタロックフェス2018」のブッキングを見た時に「これはいいな」と思いました。

前田:あ、ほんとですか?

兵庫:うん。お客さんが観たいもの、自分たちが観せたいものがうまく入っているし、いい感じにバラけてるし。ただ、ほんとにバラけてるだけだと、お客さんの観たいものから乖離しちゃうこともあるでしょ? 作り手の自己満足になってしまって。

前田:わかります、わかります。

兵庫:でもこれだったらみんな喜ぶし、チケット売り切れるんじゃないかな。

前田:あ、もう売り切れました。

兵庫:すごいじゃん。だって、武道館が売り切れるバンドが3つ集まってもZepp Tokyoが埋まらない、みたいなことってよくあるもんね。足し算にならないっていう。

前田:そこなんですよね。裏の話をすると、そういうのと逆の売れ方をしたんですよ、チケットが。第三弾発表でyonigeの名前が出たら、チケットが一気に伸びたんです。でも普通、他のバンドと比べるとまだ新人の彼女たちが出ることがわかったからって、そこまで伸びるとは思わないでしょ。

兵庫:ああ、組み合わせの妙があったってことね。

前田:そうです。SNSとか見てたら「クリープハイプが出てMy Hair is Badが出てyonigeが出るんなら行くしかない!」ってみんな言ってて。正直、そこまで計算してブッキングしたわけじゃないんですけど、「そうか、このラインってそこまで強力だったのか」っていうことを、お客さんに学びましたね(笑)。


前田博章
カルチュア・エンタテインメント株式会社 音楽事業企画部 所属。TSUTAYA RECORDSの本部MDを長らく担当し、ツタロック立ち上げ当初から関わり、今回の「ツタロックフェス2018」立ち上げメンバー。2003年〜2013年の間、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」と「COUNTDOWN JAPAN」のレジデントDJを務める。


兵庫慎司
音楽などのライター。ロッキング・オン社で雑誌・書籍・ウェブサイトの編集に携わり、2015年からフリーに。リアルサウンド、週刊SPA!、DI:GA online、KAMINOGE、月刊ロッキング・オン・ジャパン等に寄稿中。

ツタロックフェス2018~TSUTAYA ROCK FES 2018~
■公演日:2018年3月18日(日)
■会場名:幕張メッセ 国際展示場9・10・11ホール
■出演者:[Alexandros] / OGRE YOU ASSHOLE / KANA-BOON / KANDYTOWN / クリープハイプ / SUPER BEAVER / sumika / D.A.N / 04 Limited Sazabys / フレデリック / Base Ball Bear / My Hair is Bad / MAN WITH A MISSION / yonige
■OPEN 9:00/START 10:30/CLOSE 21:00(変更の場合もあります。)
■チケット料金 ¥8,700(TAX IN)
■主催 カルチュア・エンタテインメント(株)/ライブマスターズ(株)
■企画 カルチュア・エンタテインメント(株)
■制作 ライブマスターズ(株)
■協賛 シンハービール TSUTAYA Tポイント 八海山
■運営 (株)ディスクガレージ
■協力 (株)TSUTAYA / Rolling Stone Japan
http://tsutaya.tsite.jp/feature/music/tsutarock/tsutarockfes2018/index

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