エアロスミスのジョー・ペリーはその場の雰囲気に飲まれるとどうなるのか知っている。16日にウェストハリウッドにあるロキシー・シアターで行われた最新ソロ・アルバムのリリース記念ライブでも、彼はそれを実感した。ペリー、スラッシュ、ジョニー・デップ、ストーン・テンプル・パイロッツのディーン・ディレオのギタリスト4人が「Train Kept A Rollin’」でプレイを爆発させていたときのことだった。この曲は10代のペリーが初めてヤードバーズのバージョンを聴いて以来、彼の音楽人生の核をなす重要な曲である。
「この曲のギター・リフはベストなロックンロールリフの基礎だ」と、ライブ直後のペリーがローリングストーン誌に語った。この曲は1974年エアロスミスがカバーしてヒットしている。16日のライブでは、1951年にリリースされたティニー・ブラッドショーのオリジナルまで遡り、それ以降リリースされたすべてのバージョンの最高の要素を詰め込んだ「Train Kept A Rollin’」を演奏しようと試みたという。「みんなが思いつくEコードの全バージョンを全員で弾いたよ」とペリー。「ステージ上のありとあらゆるものが絶叫していたし、アンプも全開だった。俺はそれ以外にやるべきことが思い浮かばなくて、気がついたら手に持ったギターが粉々に砕けていた」
19日にリリースされた新作に先立って、ハード・ロックと男臭いブルースが2時間繰り広げられたライブの仕上げとしては猛烈な終わり方だろう。新作『Sweetzerland Manifesto』には、チープ・トリックのロビン・ザンダー、ニューヨーク・ドールズのデヴィッド・ヨハンセン、イギリスのベテラン・ロック・ヴォーカリストのテリー・リードなど、錚々たるスター・シンガーたちがキャスティングされている。このアルバム制作は長期間にわたった。プロジェクトの始まりは2012年にレコーディングされた60年代のヒット曲「明日なき世界」(原題:Eve of Destruction)。そして2017年にプロジェクトが加速し、ハリウッドヒルズにあるデップの自宅スタジオでレコーディングが行われた。