エアロスミスのジョー・ペリー、ソロ作発売記念ライブで思わずギターを破壊

「俺はレコーディングが大好きだ。スタジオにいるのが大好きなのさ。あれこれ実験するのも楽しくて仕方ない」と言って付け加えた。「これは音楽を演奏する一つの方法だったんだ」

ペリーのキャリアの中心はエアロスミスだが、マルチプラチナ・アルバムを連発するロックンロール・バンドがアルバムを制作しない時期になると、ペリーは落ち着かなくなるという。彼のソロ活動が始まったのは1979年にエアロスミスを脱退したときだった。アルバム『熱く語れ!』(原題:Let The Music Do The Talking)と共に、まるでマグマが噴出するが如く、ジョー・ペリー・プロジェクトがスタートしたのであった。タイトル曲は自分の足で歩み出すためにバンドを離れたリード・ギタリストが、リード・シンガーの必要性を排して進む熱い決意の表れだった。

「あれは70年代の終りだった」と自身の突然のエアロスミス脱退についてペリーが説明する。「全員、心身共にボロボロだった。身を粉にして必死に頑張り続けて8〜9年くらい経っていた。呼ばれればどこでも演奏したし、ブレークする努力もした。あの時、もう少し利口だったら休暇を取る決断ができただろうが、俺たちはすべてが崩壊するまで頑張り続けてしまったのさ」

楽曲『熱く語れ!』は1984年にペリーが再加入した後、エアロスミスが再録音したほどエキサイティングな曲で、16日のロキシーでもライブの始まりを告げるパワフルなオープニング曲として久々に登場し、ペリーのボトルネック・プレイが炸裂した。もともとアルバム『Sweetzerland Manifesto』でペリーがやろうとしていたのは、初めての全曲インストのソロ・アルバムを作ることだった。しかし、熟練シンガーたちの“覇気と大胆さ”に心惹かれる自分に気付いたという。


ロキシーでのペリー(photo by Steve Thrasher)

「俺はロックンロールを愛している。そんな俺でもインストのロックンロール曲を聴くのはけっこう辛いんだよ」とペリーが言う。「本当に時々1曲やるならいいけどね。でもさ、みんなが聴きたいのは歌声だし、俺も歌声が聴きたい」 ペリーと共に長年音楽を作っているパートナーで、かつてはエアロスミスの“不良の双子“と呼ばれていた片割れでボーカリストのスティーヴン・タイラーは、ペリー曰く「明らかに最高のシンガーの一人だよ」

Translated by Miki Nakayama

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