日本国内だけでなく、世界的に見ても最大級のプロレス興行の一つが1.4東京ドーム(WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム)だ。世界中のプロレス・ファンが注目する大舞台で4年連続メインイベントを飾るのが、現IWGPヘビー級チャンピオンのオカダ・カズチカ。女性人気だけでなく子どもたちからも熱視線を集めるスターである。今回、本人がこだわっている愛車とゲームを切り口に、「世界の新日本プロレス」を牽引するチャンピオンにせまってみた。 ゲームに没頭することでアイデアが生まれる
― 以前、ケニー・オメガさんに取材をさせてもらったとき、彼もすごくゲームが好きでいろいろ話してくれたのですが、そもそもゲーム好きなレスラーって周りにいるんですか?
オカダ 海外のレスラーには多いですけど、日本人のレスラーでここまで好きなのはそうそういないですよ(笑)。だから外国人レスラーとはよくゲームの話をしますね。
― オカダさんがゲームをやりこむキッカケになったソフトは何でしょう?
オカダ 『メタルギアソリッド』です。最初に『メタルギアソリッド1』をやったんですけど、こんなにドキドキしながらゲームをすることがあるんだなと。それまでは『ストリートファイター』で延々と戦っていただけだったのが、敵に見つからないよう隠れながら進めるゲームと初めて出会って、それがきっかけでRPGをやるようになったっていうのもありますね。メキシコに行くときもPlayStation 2を持って、小さなテレビを買って自分のベッドに置いて、狭いベッドの中でゲームをしていました。海外には毎回、確実にゲーム機を持って行ってます。
― ゲームは子どもの頃から好きなんですか?
オカダ 父親も『ストリートファイター』とか『バーチャファイター』といった格闘ゲームが好きだったので、昔からゲームはよくやってました。
― 家庭用ゲーム機だけじゃなくてゲームセンターに行くことも?
オカダ ゲームセンターにもよく行ってましたね。母親がカラオケをしている間、横のゲーセンでゲームをして待っていたり(笑)。『THE KING OF FIGHTERS』とかよくやってました。
― 本当に格闘ゲームが好きだったんですね。特にやりこんだゲームは何ですか?
オカダ 『THE KING OF FIGHTERS ’98』ですかね。友達と延々とやっていたのを覚えていますね。あとプロレスを好きになったきっかけが、プロレス・ゲームなんですよ。兄が借りてきたNINTENDO64のゲーム『新日本プロレスリング闘魂炎導2』です。格闘ゲームには体力があるじゃないですか。プロレスゲームは体力関係なく3カウント入らないように連打して押さえを返したり、関節を取られても連打すればロープに逃げたり、体力ゲージがないからこそ余計にハラハラドキドキして、それでもっともっとゲームにハマりました。プロレスゲームのよさはそこかなって思いますね。
― 常にゲームはやっていたんですか?
オカダ はい。ゲームをやらなかった時期はないんじゃないかなって思うくらい。
― 生活の一部ですね。普通だったら2年くらいゲームから離れていた時期があったりするじゃないですか。
オカダ 中学校のときに『FINAL FANTASY X』『逆転裁判』『三國無双』、新日本プロレスに入っても『実況パワフルプロ野球』をやってましたから、ゲームはずっとやってます(笑)。やっていない時期を思い出す方が難しいです。
― 初めてドキドキしたソフトが『メタルギアソリッド』だとして、初めて感情を揺さぶられたゲームは何ですか?
オカダ 『FINAL FANTASY X』かもしれないです。本当に『FINAL FANTASY』が好きすぎて、エンディングはビデオに録画しました(笑)。そのくらい好きでしたね。『メタルギアソリッド』はドキドキしながらプレイする感じで、ストーリーに揺さぶられました。『Call of Duty』も好きで、FPSという自分の視点が新鮮でしたね。基本的には洋ゲーの方が好きなんですけど、日本のゲームも少しずつオープンワールドになってきている気がして、それは楽しくなってきたなと思いますね。
― 『ゼルダの伝説』はどうですか?
オカダ Nintendo Switchでやりました。僕は主人公が喋るゲームが好きなんですよ。できれば主人公には喋ってほしい(笑)。『モンスターハンター』も喋ってくれればいいなと思うんですけどね。自分を投影しているのかもしれないですけど、主人公が喋ってくれた方が気持ち的にノレるんです。だから、自分で容姿を決めるのはどちらかと言うと苦手です。やるはやるんですけど(笑)。
― 物語に没頭したいタイプなんですね。
オカダ 主人公の気持ちって絶対にあると思うんです。プロレスのことを考えて煮詰まっているとき、頭を切り替えるためにゲームをすることも多いんですが、没頭することで良いアイデアが生まれたりすることもあるんですよね。