史上最高のパンク・ムービー25選

ライオット・ガール・ムーヴメントのドキュメンタリーからラモーンズの結成を描いたフィクションまで、本誌編集部が選出する名作パンクムービーの数々


3位『Suburbia』(1983年)

ペネロープ・スフィーリスが監督を務めた、カリフォルニアのヒッピーたちと冷めた子供たちの間に存在するジェネレーションギャップに焦点を当てる本作は、甘口の『ヴァレー・ガール』の対極にあるような作品だ。自らを「拒絶されし者」と呼ぶ、家を追われた若者たちのギャング集団は、自分たちが経験することのなかった愛情に満ちたコミュニティを作り上げるが、彼らを窃盗集団とみなす大人たちとの溝は次第に深まっていく。本作には本物のパンクスたち(レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーを含む)が俳優として起用されているほか、D.I、T.S.O.L.、そして『パット・ブラウン』のクールな別ヴァージョンを披露してみせるザ・ヴァンダルズ等のバンドが出演している。T.R.よ、永遠に。EGP


2位『The Filth and the Fury』(2000年)

レック・コワルスキーによるパンク入門書というべき『D.O.A.』(1978年)、パンクの墓碑とも揶揄された『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』(1980年)等、セックス・ピストルズ関連の映画は数多く存在する。しかしジュリアン・テンプルが監督を務めた本作ほど、全盛期のバンドが誇った社会を揺るがすほどの影響力をリアルに描いた作品は他にない。『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』ボート・トリップでのビル・グランディのインタビューでは、意図的に広められたバンドの悪名、シド・ヴィシャスの自己破滅願望、悲劇のアメリカツアー等、バンドにまつわる真実の数々が、メンバーの率直な言葉を交えながら語られる。(その抗いがたい性的魅力が死を引き寄せたシド・ヴィシャスについて、「やつは死んだ」と涙を滲ませて話すジョン・ライドンの姿は見る者の涙を誘う)今作こそがセックス・ピストルズ・ドキュメンタリーの決定版だ。DF


1位『ザ・デクライン』(1981年)

ペネロープ・スフィーリスが監督を務めた本作には、ブラック・フラッグ、X、ザ・ジャームス、フィアー、サークル・ジャークス等、ロサンゼルスのハードコア/パンクシーンの真の立役者たちがもれなく登場する。(欠けている存在があるとすればザ・ミニットメンだが、彼らの軌跡は2005年に公開された『We Jam Econo』で詳細に描かれている)レアなライブ映像を数多く収めた本作は、音楽史的にも極めて貴重な資料となっている。コルト45を前にしてほくそ笑むチャック・ドゥコウスキー、オーディエンスを挑発するフィアー(その後大勢を巻き込んだ殴り合いに発展する)、タランチュラと戯れたり怪我を自虐的に笑い飛ばすダービー・クラッシュ、自身の未来についての不安が滲み出たような無名のパンクスのインタビューなど、ハイライトと呼ぶべきシーンは数え切れない。しかし本作が問答無用の金字塔として語り継がれるのは、脆さを抱えたバンドマンたちと荒ぶるオーディエンスが、ニヒリズムという名の自由の元に共闘する姿に象徴される当時の熱狂が、肌で感じられるほどのリアリティをもって描かれているためだ。レーガン政権時代のアメリカにおいて、パンクロックは危険で破壊的な、社会における脅威として捉えられていた。本作を見れば、その理由が手に取るように理解できるはずだ。DF


ローリング・ストーン誌が選出するパンク史に残る傑作ムービー25作の映像はこちらから。

タグ:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE