ラモーンズのデビューアルバム:知られざる10のこと

By JORDAN RUNTAGH
1976年のラモーンズの伝説的デビューアルバムの秘話を徹底検証。(Photo: AF archive/Alamy)

2 ライブセットと同じ曲順通りにレコーディングした

バンド名を、ポール・マッカートニーのアマチュア時代のステージネームから取っていることは有名な話だが、ラモーンズがビートルズから拝借したのはそれだけでない。たった一日のセッションライヴを収録したビートルズの1963年のデビューアルバムのように、ラモーンズはファーストアルバムに、彼らの伝説的なライブセットのような刺激と自由さを取り入れたかったという。

そのため、七日間にわたるスタジオレコーディングでは、ライヴさながらのセットで演奏を行った。うち3日間は楽器、4日間はボーカルにあてたという。「俺たちは、ライヴセットと同じ曲順でレコーディングをしたんだ。」とジョニーが語っている。セカンドアルバム『リーヴ・ホーム』とサードアルバム『ロケット・トゥ・ロシア』も同じスタイルで収録をしている。プロデューサーのクレイグ・レオンは、このアルバムに関して、曲と曲の間の休みをなくし、1曲として作ることも考えたという。このテクニックは『I Don’t wanna Walk Around With You』と『Today Your Love, Tomorrow the World』の間にわずかであるが実践している。

ライヴハウスでの激しさが伝わってくるものの、このアルバムは単なるライヴの複製ではない。レオンは次のように話している。「ライブのエネルギーを捉えることは、かなり重要だった。しかし、単純にバンドのライヴサウンドでしかない。という結論に飛び付くのは、間違っている。それこそ僕が伝えたかったことでもあるんだけど、このアルバムのサウンドは、幾重にもレイヤーされて作られていて、当時のスタジオのテクノロジーを最大限に使ったものなんだ。」


3 ラジオシティ・ミュージックホールと同じ建物内でレコーディングされた

40年もの間、『Ramones(ラモーンズの激情)』のサウンドは埃っぽいニューヨークのダウンタウンを想像させてきた。しかし実際には、このアルバムは、マンハッタンの高級な建物の上でレコーディングされている。プラザ・サウンド・スタジオは、マンハッタンのラジオシティ・ミュージックホールと同じ建物の中にある。この豪華な装飾がされた建物は、音楽史上最も偉大なミュージシャンたちのライブが行われて、またダンスカンパニー、ザ・ロケッツの拠点でもある。つまり、最もパンクらしくない場所なのだ。
Translation by Miori Aien

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