『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』今年最大の話題作の裏側に迫る(前編):J.Jエイブラムス、出演者が語る制作秘話

BRIAN HIATT | 2015/12/17 21:30

| photo by David James/© 2015 Lucasfilm Ltd. |


「死に物狂いになっているときは、髪がさらにめちゃくちゃになる」エイブラハムは私にそう言った。しかし彼がみんなの前で話すときに現れる、ニューヨーク風の神経症的に口ごもる話し方が効果を見せたとしても、彼は“死に物狂い”な状態にはほど遠かった。両親もハリウッドのプロデューサーである彼は、プレッシャーに直面しても不気味なほど落ち着いている。「J.Jはこういう種類の責任を果たせるように作られているんだ」とボイエガは言う。現在49歳のエイブラムスはジェネレーションX世代の真っ只中の生まれだが(彼はビースティ・ボーイズの大ファンだ)、皮肉な考え方をまったく持たない部分は明らかにミレニアル世代のように見える。

「誰かを怒鳴ったり、冷静さを失ったりしている彼を見たことがない」とピクサーやマーベル同様、別組織としてディズニーの中に存続するルーカスフィルムの社長であるキャスリーン・ケネディは語る。彼女は30年にわたりスティーブン・スピルバークの作品のプロデューサーであり続け、ルーカスは自分の会社の売却が迫っていたときに、彼女を自分の後任として社長の座に指名した。「エイブラムスはアイデアの泉で、それが途絶えることはない。実際、それが彼の周りの人を疲れさせてしまうのだけれど。とどまることを知らない好奇心の持ち主で、何かに挑戦したがっている。そしてついにこう言わなくてはならない。“もう時間がないから決断して!”って」

エイブラムスは、アップルのチーフデザインオフィサーであるジョナサン・アイブの友人である。そしてエイブラムスが彼の従業員たちに向けたスピーチはくつろいだものだった。「僕たちがこの3年間の大部分をかけて作ってきた作品が2か月もしないうちに公開される」とエイブラムスは彼らに言う。「このラストスパートの時期において、このことを言っておきたい。どんなに小さな選択、些細なディテール、ちょっとした決断でも、それが動きや質感、何に関わるものであるかにかかわらず、小さいことがすべて、ものすごく、狂ったように極めて重要なんだ。ちょっと加えたものが何も影響しないなんて絶対に考えないでくれ。僕が今後関わることになるどんな作品よりも確実に、そういうことがこの映画には大きく影響するんだ」

エイブラムスは『スター・ウォーズ』の仕事を引き受けるのにあまり乗り気ではなかった。それは特に彼が2作目の『スタートレック』の映画を続けて仕上げたばかりだったことが理由だ。しかしケネディの話した、若い女性—おそらくレイだろう—が“ルーク・スカイウォーカーは誰?”と尋ねるというアイデアに彼は興奮した。「それでこう考えたんだ。“『ジェダイの帰還』から35年経って、あの世界には若い人たちがいるんだ。彼らは何に立ち向かっているんだろう?”って。でももっと重要だったのは彼らはジェダイや帝国の歴史について何を知っているんだろう?ということだった。若い女性はいつも映画の中心だ。キャラクター商品や映画、アニメーションにするのが可能だからという理由で、この何十億ドルが使われるべきと決めるのは会社ではない。でも僕はこういう会話がディズニーの大きな会議室で行われたと思っている」。
Translation by Yoko Nagasaka

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