『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』今年最大の話題作の裏側に迫る(前編):J.Jエイブラムス、出演者が語る制作秘話

「僕にとって素晴らしかったのは、クリエイティブな点で自由だったことだ」と彼は続ける。「そしてみんなの時間を費やす価値のあるもの、商業的なおもちゃではないものを作りたいという欲求も素晴らしい。僕はごみ捨て場所に行きつくようなものを作ることに関わりたくない。ストーリーを語りたいんだ。もし19歳とか20歳で自分が『スター・ウォーズ』の世界にいるのを発見したら、何が起きるだろう?」

ケネディが続編の「短いあらすじ」と説明するものを書いたのはルーカスだ。しかし、これらのアイデアは出発点として扱われただけだった。エイブラムスは約8か月、脚本家のマイケル・アーント(『リトル・ミス・サンシャイン』で有名だ)と脚本を書いていた。そこにはローレンス・カスダンとサイモン・キンバーグ(『Xメン』シリーズ)が時々手を貸していた。このグループは本質的に何ももたらさなかった。アーントは脚本を書き上げるのには18か月必要だと言った。これはディズニーやエイブラムスが望むよりもはるかに長かった。「映画は人生のようだ」とカスダンはいう。まさにヨーダの最高のセリフを書いた人らしい言葉だ。「この作品は非常に複雑であり、信じられないくらいシンプルでもある。このグループがやらなかったのは物語のシンプルな要を探すことだったと僕は思う」

アーントがチームを離れ、カスダンが入った。彼が最初にこの壮大な物語に関わったのも似たような状況下だった。締切に追われたジョージ・ルーカスが、『帝国の逆襲』の説得力のない脚本を手早く書き直してくれるように頼んだのだ。今回、カスダンとエイブラムスは8か月かけて史上最も期待されている映画の一本であるこの作品の脚本を書き上げた。「“君はプロなのか? そうでないのか?”とみんなが言う」とカスダンは言う。エイブラムスにとってはカスダンをチームに入れることで、脚本が“ファンフィクション”になってしまう可能性を排除できた。「“彼らは何をしたんだ?”と尋ねる必要はなかった。カスダンがそこにいてくれたからだよ」。

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Everett Collection

Translation by Yoko Nagasaka

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