TMGが語る「20年ぶりの再始動」への想い(記者会見Q&A全文掲載)

TMG(左からジャック・ブレイズ、松本孝弘、エリック・マーティン)

9月14日・15日の2日間、大阪・東京のハードロックカフェでTMG(Tak Matsumoto Group)の先行リスニングパーティーが開催され、15日の東京にはメンバーがサプライズで登場し、緊急記者会見が実施された。

今年3月に松本孝弘、エリック・マーティン、ジャック・ブレイズというオリジナル・メンバーでの20年ぶりの再始動が発表され、ニューアルバム『TMG Ⅱ』を9月18日にリリースしたTMG。アルバムのレコーディングにはドラムにガンズ・アンド・ローゼズ/ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのマット・ソーラム、ギターとアレンジにB’zのサポートでもお馴染みのYukihide“YT”Takiyamaという、9月19日からスタートのツアー「Still Dodging The Bullet」のメンバーでもある2人が全面的に参加。また、2017年に松本との共作アルバム『Electric Island, Acoustic Sea』をリリースしているダニエル・ホーが琴や三線、松本のソロアルバム『Bluesman』にも参加のジェフ・バブコがピアノやオルガンなどをプレイしている。

さらには、松本がLiSAに提供した「Another Great Day!!」をTMG流にリアレンジし、LiSA本人も参加した「THE STORY OF LOVE(feat. LiSA)」や、過去に松本が「DA DA DANCE」でギターを弾いているBABYMETALがゲスト参加した「ETERNAL FLAMES」も収録。アルバムのラストを飾る「GUITAR HERO」はジャックが松本のことを思い描いて歌詞を書いた曲として大きな話題となっている。



この音源をいち早く聴けるという貴重な機会に、抽選で選ばれた約100名のファンが招待され、ハードロックカフェの巨大なスピーカーでTMGの音を楽しんだ。そして、全11曲が終了すると、再び「GUITAR HERO」が流れ出し、事前に告知のなかったメンバー3人がサプライズでファンの前に登場して、悲鳴のような大歓声が起こる。3人は短い時間ながらファンと言葉を交わし、再会を喜びつつ、ツアーへの期待をさらに膨らませた。

その後、3人はハードロックカフェ内の別会場に移動し、マスコミ陣を前に緊急記者会見を実施。以下にその全文を掲載する。穏やかに、冷静に質問に対応する松本に対し、ジョークを飛ばしながら終始楽しそうなエリックとジャックという対比も楽しい、充実の記者会見となった。

ー先ほどファンのみなさんの前にサプライズで登場されましたけれども、まず感想を教えていただけますでしょうか?

松本:こういうことはとてもひさしぶりだったので、楽しいですね。あんまりこういうことはなかったので、とても新鮮でした。

エリック:みなさんすごくテンションが高くて、最高でした。大きなスピーカーで私たちの新作を聴いて興奮してくれて、ハッピーで、ビューティフルで、ポジティブで、すごくいいヴァイブスがあったと思います。みなさんがTAKの熱心なファンであることも伝わってきて、それが私もすごく嬉しかったですし、今日ここにこれたことをとても嬉しく思っています。

ジャック:ここは完璧な場所だと思います。なぜかというと、前回のツアーの打ち上げがこの場所で行われて、今回は逆にここからツアーを始められるからです。前回のツアーで起こった色々なことを思い出しました。ファンのみなさんが踊ってくれて、クレイジーになって、最高の時間を一緒に過ごして、とてもハッピーでした。あれから20年が経って、一つのサークルになって、またここからロックするのが楽しみです。



ー2004年にTMGで記者会見を目黒の雅叙園で行いましたけれども、20年ぶりにこのような形で取材させていただいておりますが、感想をお願いできますでしょうか?

松本:記者会見は20年ぶりで、多分これで2回目なんですよ。なかなかこの雰囲気には慣れませんね。

エリック:みなさんにお会いできて嬉しいです。みなさんアルバムを大きな音で聴いていただけたと思うんですけれども、楽しんでもらえましたか?(反応を待って)「イエス」と言ってください(笑)。こういう場をみなさんでシェアできることがとても嬉しいです。

ジャック:先日「ミュージックステーション」に出させてもらって、それも20年ぶりだったのでとても楽しかったですし、こうやってまたたくさんのファンのみなさんの顔を見れて、素晴らしい時間を過ごして、日本を、ロックンロールを、TAKさんを、『TMG Ⅱ』をみなさんと一緒に祝えることがすごく嬉しく思います。

エリック:「ミュージックステーション」でジャックが20年前と変わらないぐらいすごく若く見えて、ハンサムで、素晴らしかったですね。

ジャック:エリックはいつもジョークばっかり言ってるんだ(笑)。

エリック:TMGで活動することで自分のことを若く感じることもできるんです。今もバンドにいるときは若々しく感じていて、逆に時々TAKから「ちょっと静かにしてくれないか」と言われてます(笑)。

ジャック:Still Dodging The Bullet(笑)。

ーTMGは2004年に結成して今回20年ぶりに再始動ということなんですけれども、2004年当時にTMGを結成されたいきさつを松本さんにお伺いしてもよろしいでしょうか?

松本:一番最初は僕が海外のアーティストとバンドを組んで、オリジナルの作品で活動したら、どうなんだろうかというような思いがあったんだと思うんですよね。2003年にB’zがサンフランシスコのフィルモアというところでライブをやるときに、エリックとジャックが見に来てくれて、そこで彼らにこの話を持ちかけました。で、やってみようということになったのが最初じゃないですかね。

ージャックさんとエリックさんはお誘いを受けてどう思いましたか?

エリック:素晴らしいタイミングでした。2002年にミスター・ビッグの最初のフェアウェルツアーがあって、その時は少し難しい時期でした。素晴らしいフェアウェルツアーをして、バンドが解散をしてしまったので。その後は自分自身どうするのか、ソロ活動をやるのか、引退をしてしまうのか、そんなとき完璧なタイミングでTAKのマネージャーから「一緒にバンドをやりませんか?」という連絡があったんです。ミスター・ビッグのショーにTAKが来てくれて以来、しばらく会ってなかったんですけど、私はすでにB’zの大ファンで、B’zのことはよく知っていました。そのときに「誰か他にこのプロジェクトに参加できるミュージシャンはいないか?」という話を聞いて、すぐにジャックのことが思い浮かんで。ジャックともしばらく会ってなかったんですけど、僕たちはもともと友達だったので、一緒にフィルモアでのコンサートを見に行き、完全にソールドアウトで、とても印象的なショーでした。日本のロックスターがアメリカでロックをやっていて、すごく感じるものがあった。その時点でかなりやる気になっていて、そこからすぐに曲を書き、レコードを作り、とても素晴らしい時間を過ごしました。プロモーションでも何でもどんどん自分からやっていきたいと思ったし、「Dodge The Bullet」ツアーも最高でした。そんな素晴らしい時間が終わってしまって、それから20年間電話を待ち続けてたんだ(笑)。

ジャック:エリックがもうほとんど話してしまったんですけれども(笑)、そのフィルモアのショーに訪れて、それがB’zのコンサートを初めて見ただけでなく、TAKさんのプレイを始めて見たときで、本当に素晴らしかったです。そのサンフランシスコでのB’zのコンサートの数カ月後にナイト・レンジャーで来日をして、TAKさんが見にきてくれたんですけど、マネージャーさんが周りにいっぱい座っていて(笑)、あれは驚きました。「すごい人が来てるぞ!」って。これまでにダム・ヤンキースのテッド・ニュージェントやトミー・ショウ、レヴォリューション・セインツで共演したジャーニーのニール・ショーン、ナイト・レンジャーのジェフ・ワトソンやブラッド・ギルスなど、いろんなギタリストと演奏してきましたが、TAKさんと一緒に演奏できることを誇りに思います。改めて、ありがとうと伝えたいです。

ー20年ぶりにTMGを再始動された経緯について、松本さんお願いできますか。

松本:今までも時々そんな話は出てたんですけれども、みんなのスケジュールを合わせるのがなかなか難しくて、測って20年ぶりというわけではないんですけれども、ようやくこうやってみんなが改めて集まるタイミングが20年後だったというだけで、実際には一昨年の11月ぐらいだったかな。ジャックとエリックに、もう1回やることはどうかなというふうに連絡しました。で、割とすぐにやろうよっていう返事が返ってきたので、じゃあみんなのスケジュールを考慮して、再来年やろうということになりました。

ージャックさんとエリックさんは20年ぶりのTMGの再始動についてどのように思われましたか。

ジャック:僕にとっては20年という月日が20日間のように感じられるくらい、あっという間に過ぎてしまったように感じます。先週『TMG Ⅰ』をやったと思えるくらい、とても自然な感じなんです。ただ、今回はマット・ソーラムがドラムを叩いてくれていて、マットはビーストなんだ。彼がバンドをドライブさせてくれるし、さらにはYTもいる。TMGのステロイド版というか(笑)、TMGを10倍にしたような感じで、素晴らしいよ。

エリック:『TMG Ⅰ』のキャンペーンが終わって、その後は大変な時期もありました。それくらいTMGは素晴らしい経験で、自分がこれまで所属した最高のバンドだと感じました。それまでは人生の半分をミスター・ビッグで過ごしてきたけど、2002年に解散してしまって、再結成するまでには長い時間がかかった。その一方では常にTMGの再結成を願っていて、TAKにも何度も「もう1回やらない?」と聞いていたんです。レコードはプラチナを獲得したし、ライヴは完売で、すべてが10点満点だった。でもTAKは「もう少し考えさせてくれ」と言った。彼はただ座っているだけじゃなくて、B’zのレコードを作り続けていた。彼はマシンのように常に曲を書いているんだ(笑)。その後、2009年にミスター・ビッグを再結成して、僕にとってはすごく大きな仕事だったので、ミスター・ビッグと何年も付き合ってきたから、気づけば『TMG Ⅰ』からは20年が経っていたけど、でもいつも頭の片隅でTMGのことを考えていました。このバンドにいることはとてもポジティブで、毎日ディズニーランドにいるような気分です(笑)。ずっとこの瞬間を望んでいたんだ。



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