Nothing But Thievesが語る日本のファンとの約束、マネスキンやレディオヘッド、堀米雄斗への敬意

Photo by Takuya Maeda

 
自身初となる全英No.1アルバム『Dead Club City』をひっさげ、8年ぶりにサマーソニックに帰ってきたUKロック5人組、ナッシング・バット・シーヴス(Nothing But Thieves)。思えば、彼らの日本におけるライブデビューは、2015年のサマーソニックだったのだから、6年ぶりに実現した来日に彼らがサマソニを選んだのも頷ける。

東京公演のライブレポートでもお伝えしたとおり、3度目の出演となる今回のサマソニで彼らはUKロックの正統と言える曲の数々とともに日本のファンと築いてきた絆の強さを改めて証明してみせたわけだが、本番前にメンバー3人で応じてくれたインタビューをお届けしたい。『Dead Club City』における挑戦から日本が世界に誇る堀米雄斗まで、いろいろな話題について語っている。


サマーソニック出演時のライブ写真


マネスキンとの交流、堀米雄斗への敬意

―来日は6年ぶり、サマソニは8年ぶりですね。ナッシング・バット・シーヴス(以下NBT)は進化しつづけているバンドであり、最新の姿を日本のファンに見せることができて喜びもひとしおではないかと思います。8年ぶりにサマソニに戻ってきた感想をまず聞かせてください。

コナー(Vo):すごく光栄だよ! 東京に大阪、日本は今までパフォーマンスした国の中でも好きな場所なんだ。久しぶりに戻ってきて、すごくワクワクしてる。2日前に到着したんだけど、おいしいご飯をありったけ食べて、原宿でショッピングして……早速、満喫してるよ。日本のファンの前でまた演奏できるなんて! 待ち遠しい。

ドム(Gt):僕も。前回、日本に来たのは6年前だったから、僕らも年をとったな。今回の機会をもらえてすごくありがたい。コナーが言ったとおり、久しぶりの来日をとにかく楽しんでる。過去3回の日本滞在をこの2日で……いやもう、それ以上に詰め込んだ。

ジェームス(Dr):いつもは、時差ボケの影響で出かけるのが億劫なんだけど、今回はいろんな所を見て回ろうって決めてたんだ。探検できてすごくよかったし、やっぱり楽しいな。

―ジェームスは素敵なTシャツ(『新世紀エヴァンゲリオン』)を着ていますね。好きなんですか?

ジェームス:ああ! 8カ月前くらいからハマっちゃって。今までアニメは興味がなかったんだけど、フライト中にアニメ映画を観たんだ。名前は忘れちゃった。トンネルの中に入っていってタイムリープするみたいな……そんなストーリーだった。それで90年代のオリジナルアニメを探してたら(『新世紀エヴァンゲリオン』)見つけてさ。今は大ファンだよ。


左からドム、コナー、ジェームス(Photo by Takuya Maeda)

―ライブの意気込みをお願いします。

コナー:前回が6年前だから、当然だけど新曲がメインになる。みんなに披露できるのが楽しみだし、どんなライブになるか、僕らもワクワクしてる。もちろん昔の曲も演奏するよ。ライブサウンドやパフォーマンスには力を入れてきたから、ぜひ期待していてほしい。

―因みに、今回のサマソニのラインナップの中で気になるアーティストを挙げるなら?

ジェームス: Vaundyかな。今日のラインナップには入っていないけど。確か大阪だけでのパフォーマンスだったかな(8月18日に出演)。今、日本で流行ってる曲「踊り子」がYouTubeで出てきたんだ。たまたま聴いて、すごくいい曲で印象に残った。

コナー:どんな感じ?

ジェームス:チルでリラックスな感じ。すごくいいよ。

マネスキンを昨年末に取材したとき、ダミアーノがあなたたちの最新アルバム『Dead Club City』を2023年の年間ベストに挙げていました。

ドム:トーマスとは仲がいいんだ。他のメンバーとも知り合いだし、すばらしいバンドだと思う。マネスキンはロックをコマーシャルミュージックの最前線に連れていった。サクセス・ストーリーを作ったんだ。まさしく、サマーソニックのヘッドライナーにふさわしい。いい刺激をもらってるよ。自分たちに正直に音楽をやってるからこそ、みんなを惹きつけるんだろうな。今夜、大阪に向かわなきゃいけないから残念だけど、タイミングが合えば一杯やりたいね。もちろん日本酒で!



―ところで、1週間前まで世の中はパリ五輪で盛り上がっていましたが、イギリスはメダルラッシュだったそうですね。オリンピックは楽しんでいましたか? 印象に残っている競技やシーンはありますか?

コナー:僕はクライミングが好きで観てたかな。日本人選手の楢崎(智亜)選手だっけ? 2位だったよね? 1位はトビー・ロバーツっていう19歳のイギリス人選手でさ。いい試合だったよ。新しい競技もいろいろあって、おもしろかった。

ジェームス(Dr):やっぱり(堀米)雄斗だろ!!

コナー:そうだ、雄斗!! 大ファンだよ。

ジェームス:僕らはスケボーで育ったんだ。彼は……

コナー:ヤバいよ!!

ジェームス:ありえないね。

コナー:オリンピック2連覇だろ? 最後のトリックで大逆転ってヤバすぎる。

ジェームス:ああ。ノーリーバックサイド270テールブラントスライド。新しい技の名前を作っちゃうなんてさ。

Translated by Natsumi Ueda

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