リーダーとしての自覚と責任―MAZZELに入って、どんな自分を引き出してもらった感覚がありますか。どちらかというと内向きな、あまり我が強くないタイプだったんですけど、オーディション中に社長から「ステージ上で裸になれる人が一番強い」という言葉をいただいて。パフォーマンスする時は、人見知りだからとかそんなことは関係なく、もうすべてをさらけ出して表現できる人が一番強いよって。
―それを言ってもらった時から裸になれたのか、それともMAZZELをやっていく中でちょっとずつ脱いでいけている感覚なのか、どちらが近いですか?ちょっとずつだと思います。デビューショーケースとか、当時はできていた感覚だったけど、今思うとまだまだ全然殻を破れてなかったなって。それは何年後かに、今の自分を見ても思うのかもしれないです。
―オーディションの最終審査の時にSKY-HIさんが「TAKUTOみたいな存在が輝くボーイズグループのほうが夢がある」ということをおっしゃってましたよね。あの言葉の意味をTAKUTOさんとしてはどういうふうに受け止めてましたか。「自分もそう思います」って(笑)。
―かっこいいな!カマしちゃいますよって(笑)。そう思ってましたし、というか、今も思ってます。MAZZELには他にも小さい頃からダンスをやってるメンバーがいる中で、僕がその人たちと違うのは、教えていた経験があることやバックダンサーとしていろんなステージに立ってきたことで。パフォーマンスの表の部分だけではなく裏側も支えて、グループとしてのレベルを底上げしてくれる存在になってほしいし、そういう存在になれるよという意味も、あの言葉にはあったのかなと考えたりします。
―ドキュメンタリーにもその模様が映されていましたが、最近MAZZELのリーダーに就任されましたよね。「リーダーを作ろうと思う」という話をした時にTAKUTOさんの目の色が変わったとSKY-HIさんがおっしゃってましたけど、TAKUTOさんとしては、それを聞いた時にどう思ったんですか。社長の言っていた通り、僕だったら引っ張りすぎることなく、いい具合のバランスでリーダーができるなって思いました。ぜひやらせてください、という感じでした。
―TAKUTOさんの場合、もちろん我がないわけではなくてただ出すのが苦手なだけなんだろうなと、ここまで話を聞いていて思うんです。リーダーとして我を出す時は出すし、出さない時は出さないという、うまくコントロールができるという実感が自分の中でもあったと。そういうことですね。(我が)ないことはないですね。それでいうと出すのが苦手なだけなのかもしれないです。
―リーダーに就任してから数か月程、どういうふうに意識や行動が変わりました?前から、特にダンスの練習の時に「ここはこうだよ」とか言ってはいたんですけど、どうしてもメンバー同士だと伝え方が難しい部分があったんです。自分の中で「リーダーだから」ということで話したり教えたりしやすくなりました。みんなも多分、「わかった、ありがとう」というふうになりやすくなったのかなって思います。
―それこそ抑えていた自我とか、本当はグループのために言ったほうがいいのに言ってなかったこととかを、リーダーという立場になったから言いやすくなったと。きっと、それを見越してSKY-HIさんはTAKUTOさんをリーダーにしたということですよね。そうなんですかね?(笑) あと社長が言っていたのは、僕がいろんなことを引っ張っていくというより、リーダーという存在がいてくれることの安心感が絶対にあるよ、ということで。リーダーという役割の人がいるからこそ、他のメンバーはいい意味でもっとわがままに、自分のやりたいようにできるというか。もしはみ出したりしちゃっても何かあったらリーダーが出てきてくれるというような、そういう存在がいるだけで安心感があるのかなって。すぐには難しいかもしれないですが、この先続けていくにあたって、そういうこともできていったらいいなと思います。
―ダンスリハ以外の時だと、リーダーとしてどういった動きをするようになりましたか?メンバーと一緒にいて感じたことや、「メンバーは今こういうふうに考えてます」ということを、スタッフの方や社長に情報共有しやすくなった部分もあります。「これはリーダーとして言いますが」というふうに社長に話しやすくなったり。メンバーが「言いたいけど言いづらいな」みたいなことって絶対あると思うんですけど、そういうことを全体の意見として伝えるということを、少しずつやり始めてます。
―コレオグラファーは毎回TAKUTOさんが提案して、という流れで作られているんですか?「LIGHTNING」からそうですね。僕がスタッフの方と話をした上で、という感じです。1曲に対して何人か候補を出して、「今この方にやってもらうのがアツいんじゃないか」とか、色々話しながら決めています。