MAZZELのTAKUTOが語る、身体で音楽を表現するリーダーの決意

ダンスの道からアーティストの世界へ

―TAKUTOさんにとって早い段階からダンスが「人生をかけて付き合っていくもの」というくらいに大きくなったのは、どういう要因からなのだと思いますか。

今考えると……褒めてもらえることの嬉しさもありましたし、普段あまり自分を表に出すタイプではなく、どちらかとかといったら人見知りでシャイで、でもダンスになると自分を表現できることに楽しさもありました。しかも純粋にかっこいい。当時の先生を見て「この人みたいになりたい」と憧れていたので、先生の存在も大きかったかもしれないですね。

―TAKUTOさん自身は、何歳の頃からインストラクターをやられていたんでしたっけ?

インストラクターは最近で。自分の固定のレッスンを持ったのは22歳とかなので、2、3年前です。

―TAKUTOさんの場合、「テレビでボーイズグループを見て憧れて……」とかよりも、身近にいたダンサーの先生に憧れを抱いて生きてきた部分が大きいということですよね。でも同時に、周りにいる大人のダンサーたちを見ながら、さっき出た「どうしていこう」みたいな気持ちもあったということなのかなと思うんですけど。どういうことに悩んで、なぜオーディションを受けてアーティストを目指したのか、そのあたりの話に入らせてもらってもいいですか。

言葉が難しいんですけど……今のアーティストとしての自分と比べると、ダンサーの時の自分は表現できることの限りがどうしてもあったなと思います。アーティストと比べると、たくさんの人の目に止まりづらいというのもありますし。「もっともっと自分を見てほしい」「もっと表現したいことがたくさんある」という気持ちがあるけど、食べていかなきゃいけないからバックダンサーやインストラクターの仕事をやらないといけない、という日々で考えることも多くて。アーティストとして歌って踊ったり自分の楽曲を出されていたりする方のほうが「自分」を表現できる幅は広いし、自分のやりたいことをいい意味でもっとわがままにできるというか。そういう部分でモヤっとしていた時期がありました。

―生計のことと、もっといろんな形で自分を表現して人に見てほしいという想いと、その2つから「どうしていこう」「このままでいいんだろうか」というモヤモヤが強かったということですよね。

そうなんですよね。だけど仕事で忙しいから、ボイトレを受けに行くだとか、特に行動に移すこともできなくて。日々目の前にあるダンスのお仕事をやっていたら、オーディションの話が聞こえてきて……という感じです。

―そのモヤモヤはいつ頃から抱き始めていたんですか?

BE:FIRSTがデビューした時くらいなんです。なので、2021年11月のちょっと前くらいから。

―じゃあもう、言ってしまえばSOTAさんの存在がけっこう大きかった?(TAKUTOとSOTAはBMSG所属前に平手友梨奈「ダンスの理由」などで共演している)

それはけっこうありました。他にもダンスの友達がアーティストとしてデビューするのを見ていましたし、とある事務所の練習生たちに向けてはずっとレッスンをやっていて。それをやりながら「月日が経ったらこの子たちはデビューするのかな」とか色々考えて、「いいな」じゃないけど……モヤモヤしていた時期がありました。

―そこで「いいな」という気持ちが湧くのは、さっき言ってくれたみたいに、「僕ももっと自分を表現したい」「もっと前に出たい」という気持ちが心の奥に強くあったということですよね。

それは少なからずありました。歌は経験したことなかったですが、昔からどんなことに対しても「自分ならできるだろうな」という謎の自信がいつもあって。「自分もちょっと歌を教えてもらったら、歌いながら踊ることもできるようになるだろうな」みたいな。そういう根拠のない自信がどこかにあるんです(笑)。

―それはスターになる人の性質だ。TAKUTOさんはMAZZELに入る前から、バックダンサーとしてアリーナやテレビ番組などの華やかなステージに立たれていたわけじゃないですか。その時の感覚と、今アーティストとして立つ時の感覚は、自分の中でどんなふうに違いますか。

やっぱり見てくれる方々の目線が自分に向いているということが、バックダンサーの時と比べると全然違います。バックダンサーの場合、お客さんは大体アーティストの方を見に来ていて、僕たちはサポートする側なので。自分の心の中が一番生き生きしているのが今だと思います。見えない部分ですけど、自分の気持ちは全然違いますね。

―誰かを輝かせるための表現ではなく、前に出て自分を表現することをしたいという気持ちが強かったんですね。

そうですね。今のほうが表現できる幅がすごく広がったなと思います。それは、SKY-HIさん(BMSGの社長、MAZZELのプロデューサー)、他のメンバー、BMSG内の他のアーティストとかから常に引き出してもらっているものでもあります。



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