「エロ」ミームが大流行、ポルノ系ボットでXが埋め尽くされる理由 米

いかがわしい新規フォロワーにご用心(PARILOV/ADOBE STOCK)

Twitterを買収したイーロン・マスク氏は、本人が言うところのTwitter最大の問題、すなわちボットの排除を約束した。いかにも彼らしいが、マスク氏は約束を守らなかったばかりか、問題解決策と本人が言う有料承認システムのせいでユーザーのフィードにはさらに偽アカウントが上がるようになった。数々の偽情報や過激思想はもちろんのこと、ジャンク広告やエンゲージメントを人為的に高める投稿がいたるところにあふれている。

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だが2024年年明け以降、一風変わったタイプのスパムがポストを席巻している――これをスパムと呼ぶとすればの話だが。それなりに注目を集めるポストのリプライを開くと、露出の高い魅力的な女性がいかがわしい画像をちらつかせる投稿をかなりの確率で目にするだろう。大本のポストの内容は関係ない。自然な文章になるようメッセージを修正するといったことは一切行われていないからだ。代わりに、間にスペースを挟んだ大文字で「HOT LINK IN BIO」「MY TITS IN BIO」と書かれている。とくに多いのが「MY PUSSY IN BIO」だ。プロフィール欄に飛ぶと、セクシーなアダルトコンテンツへのリンクがありますよ、というわけだ。



当然デジタルリテラシーの高い人々なら、これが体のいいハニーポットの類だと気づくだろう。インターネットにはポルノが無数に供給され、ファーストネームに数字がつらなるアカウントが一方的に発信した怪しげなリンクからわざわざ飛ばなくても十分事足りる。そうはいっても、「pussy in bio」ボットを裏で操る人間はかなり成功しているに違いない。なぜならどんなに削除しても、雨後の筍のごとく次々と現れるからだ。フィードをきれいにしようとブロックしても、スピードが追い付かない。

スパムアカウントは別の方法でも拡散している――しばしばXの衰退に対する不満の声として、またご想像の通りミームとして。単刀直入かつ独特なスタイルと脈絡のなさから、2024年のソーシャルメディアを牛耳る化身となった。誰もが金もうけ目当てで便乗することを最優先し、有意義な文脈がすべて台無しにされている。どんなにたわいもない考えや文化的言及も、突然前触れもなく話題を急転換され、「MY PUSSY IN BIO」に持っていかれてしまうのだ。

Akiko Kato

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