ー約6年前にマイク・シノダの「Running From My Shadow」にフィーチャリングされましたが、あのコラボはどんな学びがありましたか?グランドサン:マイクはバンドメイトのチェスター(・ベニントン)を亡くした直後でしたが、凄まじい集中力を発揮して、アートを使ってファンが共感できる何かを届けることで、「悲しみに負けてしまわないで」ということを伝えたかったんだと思います。あの曲がきっかけでマイクのオープニングアクトとして演奏する機会があったんですが、彼らがいかに作品を通じてファンと深いつながりを持っているかを実感しました。ファンのことを思う姿勢と、音楽を通じてファンと何かを築き上げていく姿勢はすごく勉強になりました。あと、当時僕は23歳だったんですが、マイクはスターなのにすごく謙虚で、僕がスタジオでやったことを褒めてくれました。それに加えて、僕のために空けておいてくれていた最後の歌のパートを僕に任せてくれたんですよね。人を信頼する姿勢にも心を動かされました。
ー他に影響を受けたアーティストは?グランドサン:たくさんいます。アーティストにかぎらず、社会派のコメディアンであるジョージ・カーリンや作家や詩人。自分のプラットフォームを使って自身の思想を拡散していく人や、ボブ・マーリーのように歌詞を使って自分の個人的なことを歌って世界に影響を与えたり、チャリティコンサートをやって社会的な意義を満たしていく人に特に惹かれます。アメリカや僕が育ったカナダでそういった活動をすることも大事ですが、より様々な文化に広げていく段階に来ていると感じています。
ー今の時代でシンパシーを感じる存在はいますか?グランドサン:ケンドリック・ラマーやJ・コールといったストーリーを宿している優れたラッパーには共感します。あと、もちろんマイク・シノダです。
ー最後にアーティストとしてのヴィジョンを教えてください。グランドサン:僕は自分が感じたものを人に伝えられる非常に恵まれた環境にいるので、それを忘れないでいたい。音楽を作ることは自身の解放でもあるんですが、今はそれ以上に人に優れたものを提供できる存在になりたい気持ちが強くなりました。僕が一番強く伝えたいのは怒りです。僕が強く持っている怒りを消化させた音楽を作ることで自然と夢がかなうと思っています。
Photo by Yukitaka Amemiya
<リリース情報>グランドサンアルバム『I Love You, I’m Trying』配信中
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