フィービー・ブリジャーズ、女性蔑視発言をしたグラミー元会長に痛烈アンサー

ニール・ポートナウの性的暴行疑惑

フィービーも言及したように、ニールは2018年6月にさかのぼる性的暴行疑惑に直面している。匿名のJane Doe告発者は、ニールが女性と出会ってから数カ月後、ニューヨークのホテルの一室で彼女に薬を飲ませレイプしたと主張する訴えを起こした。この告発者はレコーディング・アカデミーも提訴。「自分たちの評判を守り、原告の、そして立ち上がって声を上げた他の音楽業界の女性たちを黙らせるために、ポートナウの行為を幇助した」と主張した。

先週、フィービーはAP通信の取材に対し「今、性的暴力で告発されているあの(暴言の)人が、ノミネートされたければ女性はもっとステップアップする必要があると言ったのは、ほんの数年前のことだった」と語っている。

ニールの代理人は当時、「全くの虚偽」だとしてこの疑惑を否定。レコーディング・アカデミーの担当者も当時、本誌に対し「私たちはこの主張が事実無根であると信じ続けており、この訴訟においてアカデミーを強力に擁護するつもりです」と述べた。

ここ数カ月の間に性的暴行で告発されたグラミー賞の元トップはニール・ポートナウだけではない。前任者のマイク・グリーンも昨年12月に訴えられ、元同僚のテリー・マッキンタイアはニールから複数回暴行を受けたと主張している。

今週のロサンゼルス・タイムズ紙の報道によると、グラミー賞イベントで表彰された元レコーディング・アカデミー弁護士のジョエル・カッツ氏は、テリーに口封じのために100万ドル(約1億5000万円)の支払いを申し出ていたという。

レコーディング・アカデミーの有害な過去が再浮上し続ける一方で、今年のグラミー賞は2018年のニールの発言から大きな変化を示した。当時(第60回)の主要4部門で女性が受賞したのは最優秀新人賞のアレッシア・カーラ1人だけだったが、今年はテイラー・スウィフト、マイリー・サイラス、ヴィクトリア・モネ、ビリー・アイリッシュによって完全に女性主導のスイープとなった。加えてロック部門では、ボーイジーニアスが最優秀ロック・パフォーマンス賞、ロック・ソング賞、オルタナティヴ・アルバム賞を受賞。ヘイリー・ウィリアムス率いるパラモアは、メタリカやフー・ファイターズといったレジェンドを抑えて、オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンスと最優秀ロック・アルバムを受賞した。

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From Rolling Stone US.

Translated by Rolling Stone Japan

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