MOONCHILDが語る、「努力」と「個性」の相乗効果が生んだ新境地

ボーカルの「個性」を楽曲に馴染ませる

—「Warning」はクレジットにXanseiさんの名前が入っていますよね。ヒップホップのシーンから出てきて今ではXGの楽曲にも携わっているプロデューサーですが、この曲もこれまでのMOONCHILDにないタイプですよね。

HANA:女性視点の歌詞なんですけど、女の人は愛しているのに相手の男の人はそれに伴った行動をしてくれなくて、サビで「これが最後だよ」と警告しています。愛しているのに変わらないから、ついに「警告」という曲にしちゃったみたいな。

一同:(笑)。

HANA:テイラー・スウィフトさんみたいな。

UWA:好きすぎでしょ、テイラー・スウィフトさん。「Friends Are For」もそうなんですけど、「Warning」はかっこつけた強気な曲というより、R&Bっぽい、今までにないような落ち着いた楽曲になっていて。レコーディングでもやりすぎず、100%で声を張るのではなくて60%にしたり、ブレスの成分を多めにしたり。優しい歌詞ではないと思うんですけど、この楽曲のリズムや音に合った声質にするためにØMIさんやALYSAさんが、「もうちょっと抑えてもいいかも」とアドバイスをしてくれました。みんなそれぞれ声色の個性が強いので、一曲を通して聴いた時に一人だけ強調されていたら、違和感になるじゃないですか。それが良い場合もあるんですけど、この曲は馴染んでいた方が聴きやすいというか。そういう部分で、いい具合にみんなのパーセンテージを抑えて合わせたから、個性はあるけど一つの曲としてまとまったんだと思います。



—歌詞もすべて英詞だから、より細かいニュアンスの表現が求められたのではないですか?

MIRANO:私はデビューEPではラップを担当させてもらうことが多かったんですけど、「Warning」のサビでボーカルパートをHANAと担当させてもらうことになって。今までR&Bは“聴き専”だったというか、好きな音楽として聴いていて、自分がそれを表現する機会はあまりなかったんです。でも今回自分が歌うことになって、R&Bの奥深さに触れられたというか。フェイクのかけ方だったりアクセントの付け方だったりを、たくさんのR&Bシンガーの方の歌声から研究して、R&Bについて深く学べたのが楽しかったです。ラップのパートもいただいていますが、そこでは普段のラップのテイストとは違って、メロウラップっぽいグルーヴ感を出すのが難しくて。オートチューンも、どう発声したらうまくエフェクトがかかるかを考えてみたり、レッスンをしていただく中で、プロの方に細かいアクセントを教えていただいて、積み重ねて練習できたのがいい経験だったなと思います。


MIRANO

ANRI:発音だけでなく、リズム感やニュアンスとかグルーヴ感を出すのが重要かなと思っていて、メロディやリズムにちゃんと声が乗るように、浮かないようにする点で自分の中で苦戦しました。フェイクが入ってくると本当に難しかったので、先生と何時間も練習して。自分の中に落とし込むまでに時間がかかりました。

—英語の発音は、ØMIさんやALYSAさんも意識的に取り組んでいる部分ですもんね。こういう静かな曲だとさらに難しそうです。

ANRI:おっしゃる通りで、すごく難しかったです。例えば「r」の発音は、短ければ気にならないけど、伸ばすところに「r」が入ってくるとすごく目立つんです。基礎から自分の発音を矯正する必要があるなと思って、ネイティブの先生とずっと練習しました。

—チルな曲だけどR&B×J-POPなフィーリングもなんとなく漂うし、LDHの遺伝子を感じられる曲でもありますよね。

UWA:自分たちもめっちゃ好きな楽曲ですね。

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