ザ・クロマニヨンズ、待望のライブハウスで作った「宇宙で一番すげえ夜」

中盤、早くも代表曲の1つ「エイトビート」が飛び出して、オーディエンスは「ウォー!」と歓喜の声を上げると、サビの大合唱で物凄い盛り上がりに。「グリセリン・クイーン」は、真島がギターをストラトキャスターにチェンジしてのコードストロークも相まって軽やかに響いた。終盤で披露された「紙飛行機」などもそうだが、強烈なリズムを繰り出す演奏の中にも時折顔を覗かせるフォーキーなニュアンスがとても暖かく感じられる。それはザ・クロマニヨンズの楽曲が持つ特徴で、そこに4人が醸し出す人間味が出ているように思える。


甲本ヒロト(Vo)


真島昌利(Gt)

「今日はみなさん元気がよろしいです。(お客さんが)やっと声が出せるようになったし良かった。どさくさに紛れて、大好きな人の名を叫んでください。今日は自由に、自分の楽しいことに使ってください。それで万が一、俺たちのことが大好きだったら、俺たちの名前もデカい声で呼んでやってくれ!」

そう照れくさそうに話すヒロトのMCに、各メンバーへの声援が飛んだ。「ここから勝治は最後まで叩きっぱなしです!」と告げたシャッフルナンバー「底なしブルー」では、ヒロトのブルースハープと真島のギターが掛け合うシーンに痺れ、続く「暴動チャイル(BO CHILE) 」では、ジャングルビートに乗ってさらにヒロトのブルースハープがフィーチャーされて最高に興奮させられた。「まさに今日は、宇宙で一番スゲエ夜!」と、「GIGS (宇宙で一番スゲエ夜)」へ。真島による歌詞〈薄暗い楽屋で 狭苦しい楽屋で ドキドキしながら 弦を張りかえる〉は、今もなおロックンロールの初期衝動に衝き動かされながらステージに立つバンドマンの気持ちが伝わってくる。本編最後に演奏されたのは、そんな彼らが2006年に発表したデビュー曲「タリホー」だった。


小林勝(Ba)


桐田勝治(Dr)

アンコールでは、ヒロト、真島、小林が上裸で登場。4人でツアータオルを拡げると、オーディエンスもタオルを掲げて応える。「もう少しやらせてくれ!」と始まった「イノチノマーチ」のサビで客電がつくと、フロアで汗だくになった人々が照らされ、まさしく命が息づいている感動的な光景に映った。「今日は最高ー!」とヒロトが叫べば、当然曲は「ギリギリガガンガン」。大合唱は続き、最後は「yeah!」「yeah!」とコール&レスポンスで一体となり、「ナンバーワン野郎!」を大声で会場中が歌って、ヒロトが「またやるぞ! ロッケンロール!」と言い残し、21曲を突っ走ったライブは終了となった。

ザ・クロマニヨンズは10月18日にライブアルバム『ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA2023』をリリースすることも決定している。シングル「イノチノマーチ」を含むアルバム『MOUNTAIN BANANA』全収録曲に加え、この日のライブでも大盛り上がりとなった「タリホー」「紙飛行機」「ギリギリガガンガン」、「ナンバーワン野郎!」など全23曲を収録。彼らのライブをいつでも体感できる作品となっている。また、12月13日にはニューシングル『あいのロックンロール』の発売も控えており、ここから2024年に向かって精力的な活動が期待できそうだ。 

ザ・クロマニヨンズ ツアー 月へひととび
2023年10月3日(火)恵比寿LIQUIDROOM
〈セットリスト〉
1. キラービー
2. ランラン
3. 暴走ジェリーロック
4. オートバイと皮ジャンパーとカレー
5. キスまでいける
6. 犬の夢
7. ムーンベイビー
8. 雷雨決行
9. エイトビート
10. 生きる
11. グリセリン・クイーン
12. 底なしブルー
13. 暴動チャイル(BO CHILE)
14. エルビス(仮)
15. どん底
16. GIGS (宇宙で一番スゲエ夜)
17. 紙飛行機
18. タリホー
アンコール
19. イノチノマーチ
20. ギリギリガガンガン
21. ナンバーワン野郎!

公式ページ http://www.ariola.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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